ホットロードのネタバレ!あらすじや映画の感想について

映画

いつものように公開初日、朝一で見てきました。予想していたクオリティの何倍も楽しめましたよ。ホントにおすすめ!

いやーーーーー面白かった!

そして原作未読でよかったと心から思えます。

もともと、2、30年近く前の漫画ですから今の映画視聴者層はほとんど読んだことが無いでしょう。

モダンも漫画喫茶で探しましたが、近所では見つからず今まで読まずじまいです。

でもそれが幸いしました。

読者よりも、まっさらな気持ちで見たほうが絶対に面白いです。

hotto

そして、気になる能年玲奈さんや、エグザイルの登坂さん。

正直、さすがに21歳の能年さんが14歳の和希を演じるのに無理を感じるのは事実。

遠景のカットだと、肩や足の形がどうみても成年体型なのですが、アップシーンでは演技力もあいまって本当にティーンエイジャーに見えます。

やっぱり能年さんの柔らかい輪郭や大きな目は役の幼さを表現するのにかなり有利(笑)

リアル14歳だとまた違った感じになるのでしょうけど、和希役の世界を作ってしまっていて、映画視聴後は彼女以外では想像できないです。

登坂さんも、劇中で春山が年齢不詳だったのでよかったですね。27歳が16歳の役を演じるとなるとかなりキツイです。

作中で明言されてしまうと、さらに苦しい(汗)

でも、映画に引き込まれていくにつれて気にならなくなります。

ホットロードは主演二人の演技クオリティで言えば、るろうに剣心を超えている、というのがモダンの評価です。

さて、ここからは順を追ってネタバレ全開で紹介しますね。

今回はちょっと見入ってしまったので細部があやふやです。

何卒ご容赦を^^

ネタバレとあらすじ

冒頭、万引きで補導されている和希(能年玲奈)、一緒につかまった女の子は親が引き取りに来てわんわん泣いていますが和希は動じません。

和希は学校の制服を着て、黒髪ショート。

無言で正面を睨んでいる和希に婦人警官が一言。

「・・・・あなた偉そうね!」

ここでカット。

結局、親は引き取りに現れず、担任の教師に引き取られる和希。

担任はお母さんが引き取りにこなかったのは、女手ひとりで子育てをするのが大変だから、と気遣います。

しかし、和希は違うと知っています。

今日は母親の誕生日なので男(鈴木)のところに行っているに決まっているのです。

だから警察から呼び出しがあっても気付かないし、来ない。

和希はひとり帰宅します。

家では母親が音楽を聴いています。

和希は父親と幼少期に死別した母子家庭で育ちました。

しかし、母と父はもともと好きでもないのに結婚したこと。

母親には学生のうちから付き合っていた本当に好きな相手(鈴木)がいて、今でもずっと交際を続けていることがモノローグで一気に説明されます。

つまり和希は母親にとって好きでもない相手との間に出来た子供なのです。

母親の傍らには封をあけた箱があります。なかにはスニーカー。

鈴木からの誕生日プレゼントでしょう。

嗜虐的な気分になる和希。

私はこれをプレゼントしてあげる・・と、万引きをして補導されたことを告白します。

そしてどうして引取りに来なかったのか、と。

鈴木と会っていたことを隠そうとしてしどろもどろの母。

育児放棄寸前ですね。

体育の授業中、ちょっとオツムが軽そうな横浜からの転校生、絵里が話しかけてきます。

彼女はクラスに溶け込めず、同じような空気をまとった和希に近づいてきたのです。

タクヤさんという凄くかっこいい男の人を紹介するから一緒に遊びに行こうとの事。

少し迷うけど承諾する和希。

絵里がコートに戻ると同時にクラスの別の女子が離しかけてきます。絵里は前の学校で子供を堕胎したことが原因で転校してきた、というのです。

そこに侮蔑を感じ取った和希は女子を突き放し、これみよがしに大声で絵里を応援してみせます。

そして放課後、というか夜。

全く知らない年上の女性と合流し、絵里と3人一緒に移動します。

夜の街を歩いていると家の直ぐ側なのに全く違って見える事に新鮮な驚きを感じる和希。

そして、ガソリンスタンドに到着。和希以外は顔見知りのようで親しげに話をしています。

じる和希はスタンドの店内に入らず、外で座ってみんなの様子を眺めています。

そこへ春山(登坂広臣)登場、親しげに声をかけてきます。

しかし、全く口を利かないじる和希。

そこへ春山がこんな一言。

「お前、家庭環境悪いだろ」

ここ、やりとりがの記憶があいまいなのですが、

和希が「お前にはカンケーねーだろ」見たいなセリフをいってそれを受けた春山がバケツの水を飛ばしたりしてからかった・・・ハズ。

今まで春山をシカトしてきた和希ですが、カッとなって春山を拳で殴りつけます。

ここがちょっと演技的に微妙で座ったまま腰を浮かさないで肩から先だけで撃ったフックなのに春山の左頬にあざが残るんです。

いやいやいやいや・・・どうみてもそんなに力が入っているようには見えないよ(笑)

効果音はビシって感じだけど、カット割無しだったら「ぱすっ」とかいう感じです。しかもなんか首筋の辺りに手が当たっていたように見えますし・・・。

やっぱ能年さんは運動神経鈍いと再確認するカットでしたね。

さて、話を戻して、と。

女に殴られた春山、かっとなってバケツを叩きつけたりして威嚇。強がった和希ですが、暴力の空気に頭を抱えて小さくなってしまいます。

「二度と来るな」と吐き捨てて立ち去る春山。

場面変わって、今度は横浜ナイツという暴走族の集会へ。

ボコンボコンボコンボコン・・ぶろろろろろろろ・・・・・。

明らかにちょっと前の暴走族イメージの連中が空ぶかししたり、粗野なコミュニケーションをとっています。

やっぱり怖くなって背中に回した絵里の手を強く握る和希。そんなに怖がることないよ、和希と宥めます。

ここまで、主に主人公の和希について紹介して来ましたが、言葉遣いが荒っぽいけど、内心は怖がりな感じがチグハグです。

外見は能年さんですから、このギャップがちょっと気持ち悪い。

この時点でのモダンの感想としては、能年さんはミスキャストだと思っていました。

もっと、母子家庭のやさぐれた感(失礼!)を持った女優がよかったのではないかと。能年さんのルックスがキレイすぎるんです。

しかしこのミスマッチ感が映画を見ていくうちに解消されて行きます。

横浜ナイツの総長トオルから呼ばれて車に乗る和希。

この手が春山を殴ったのか、と和希の手を取って舐めるトオル。

中学生女子を手篭めにする気でしょうか?○リコン総長です。

しかし、そこへ春山が戻ってきて和希を車から降ろします。

中学生を車に乗せるのか、とトオルを問い詰めます。あんまり悪びれていないトオル。

集会が終わって春山のバイクの後ろに載せられて自宅マンションまで送ってもらう和希。

バイクから降りて有難うの一言も無くスタスタ歩いていく和希。

春山は和希に追いついて、ガソリンスタンドでの一件をわびます。

しかし、その態度に「ナメられた」と思った和希は春山の別れた彼女の名前を持ち出して生意気な態度を取ります。

さすがに打ち解けモードだった春山も切れます(笑)

でも確か・・・ここで春山が「お前俺の女になれ」と言うのです。

ちょっと記憶あいまい。

場面転換して、今度は母親との朝食。

小さな丸いテーブルで二人向き合って朝食をとっています。

髪を脱色した和希について、小言をいう母親。男の件で母を責める和希。

ここの生活も男からカネをもらっているんでしょ?そんな(汚い)カネで生活したくない・・・みたいな。

ギスギスしています。

ここで、一瞬唖然とした母親ですが、唐突にこんな事を言います。

貴方が着ているピンクのガウン、私のものだけどなんでいつも貴方が着ているの?

最初はキレイなピンクだけどなんども洗っているうちにサーモンピンクになってしまった。

ねえ、どうして貴方が着ているの?

唐突にガウンの事を問い埋める母親。

和希はプルプル震えだしてしまいます。

ガウンに仮託して、母親がお前は養われている分際で、とプレッシャーをかけてきたことが分かったからです。

今まではなあなあにしてきた関係をハッキリさせるのね、みたいなニュアンスが含まれています。

和希自身、母に依存しながら憎むというアンビバレツに気付いたのですね。

そこで遂に和希は家出してしまいます。

横浜ナイツの集会で家での事が話題になりますが、春山は一言「ダッセー!自分でなんとかしな」

家に帰れと遠まわしに言っているのです。しかし、総長の彼女の家に住むことになります。

そして、ある日、絵里が遊びに行こうと誘ってきます。

海岸沿いを二人で歩いていると車に乗った男達が夜まで一緒に遊ぼうよとナンパしてきます。

超チョロく承諾して車に乗り込む絵里、もちろん和希も一緒です。

しかし、夕方近くなって自分達が乗っている車の後ろにも男を満載した車が付けてきていること、バックミラー越しにエロい目で自分たちを見ていることに身の危険を感じて停車中に車外に逃げます。

待てコラァ!と追いかけてくる男達。

・・・・彼女中2の設定ですよ、○リコン多すぎ!人気の無い漁港で追いかけっこです。

しかも日が暮れてきて雨も降ってきます。

場面変わって春山のバイト先のガソリンスタンド。

絵里から男に追われている助けて!という電話です。

バイク数台で漁港にたどり着きますが、男たちは逃げ去っています。

倉庫でガタガタ震えている和希。

扉がバンと開き悲鳴を上げますが、開けたのは春山でした。

安心する和希。

雨の中、春山はバイクで和希を家に送り届けます。

この時、バイクに2ケツしているときの能年さんの姿勢に注目。

完全に頭を春山の背にくっつけて頼りきっています。

しかし、家には誰もいません。自宅のリビングに倒れ伏す和希。

やさしく自分を介抱してくれる母の幻を見て、おかあさん、おかあさんと抱きついて泣きますが、それは春山でした。

目が覚めると見知らぬ部屋。

春山が自分の実家へ運んだのです。

春山の家庭もやや複雑で、母と前の父の間に生まれたのが春山で、今の父と母の間に生まれたのが弟です。

新しい家庭に気がねした春山は家を出て1人暮らししているのです。

雨の中、男に追い掛け回された日から2日も経過していました。

扁桃腺が腫れて寝込んでいたのです。

脱色して痛んだ髪を気遣ってくれる春山の母。

自宅に連絡しようという気遣いに誰もいないと答える和希。

春山の弟登場。

兄が別れた前の彼女の方がマジメだから良かった。

兄は危険なことをしているから、女が耐えられなくなって破綻するとのこと。

バイクで学校まで送られて来た和希。

新しい担任が和希に命についてお説教です。

新担任には弟がいたのですが15歳のときにバイクに乗っていて壁に激突して死んだのです。

ちょっとした事で命はなくなってしまう事に君達は気付いているはずなのに知らないフリをしている。

知らないからとって許されると思うな・・・との事。

春山の横浜ナイツでの役割は赤信号の交差点に一番先に突っ込んで停車すること。

自動車の流れを止めて後続の仲間が渡りきるまで確保するのです。

これは普通に信号無視に進路妨害ですから止まってくれるタイミングをミスったら自分がハネられて死にます。

そんな族活動をしている横浜ナイツですが、抗争の気配が!

漢東という人数が少ないけどケンカが強いグループが横浜ナイツを支配下に置こうとしているのです。

春山バイト先のガソリンスタンドにもお前等ツブすと宣戦布告。

抗争上等の春山ですが、仲間と意見が合わずケンカ。

ボロボロになって仰向けに倒れています。

そこへ総長から電話が。

総長が証であるホンダのCB400を春山に渡すというのです。

そのためには20km離れたガレージまで歩いて取りに来い、と。

電話口では悪態をついていた春山ですが、ふらふらしながら歩いてガレージへ。

憧れのCB400の側で満足気にダウン。

その様子を見つめる和希。

家出以後、総長の彼女の宏子一緒にガレージの2階に住んでいるからです。

ほどなくして、総長が警察に逮捕されます。

自分が逮捕されることを知っていたから譲ったのでしょうね。

しかし、ある朝。同居している和希がサヨナラをいいます。

何故か?それは証拠不十分で総長が釈放されて戻ってきたからです。

固くく抱き合う二人。

その姿を見た和希はもうこの二人は戻ってこないかもしれない、と直感します。

そして、ガレージに一人ぼっちになってしまったことから春山と同棲を始めるのです。

そしてある朝、疲れて和希にもたれて眠っている春山。

朝食の買い物をしているのですが、蟹が食べたいと言います。

無理して蟹を料理したせいでしょうか。

学校で腹痛に襲われる和希。

テスト中に倒れてしまいます(同棲していても学校に通っていたようです)

病院で薬を受け取りますが、ここでハッと気がつきます。

春山は自分より沢山食べていた!薬を掴んで走り出します。

娘が倒れたとの連絡を受け病院へ引き取りにきた母親を無視して走り去ります。

その姿をみて「疲れた」と冷めた表情をする母親。

この時、母がはいていたスカートがなんと膝上!

女の部分が強いですね。

アパートに着くと案の定、春山がもだえ苦しんでいます。

薬を渡しても服用しようとしません。

ここで少女漫画的お約束!

無理やり薬を飲ませるときはどうするか?

答え:口移し

ヤカンの水を含んで一緒にカプセルを口移しする和希。

二人は見つめあいますが、流石に「その気」になったりせず春山はぐったりと仰向けに倒れます。

あ・・・ちなみにキスシーンはありません。

口移している様子の背後からのカットと、唇が離れていく瞬間だけが見られます。

シチュエーションはともかく、むしろ不自然演出なのですがやっぱり事務所の意向でしょうか(笑)

そして、再び和希サイド。

おそらく横浜元町と思われる港町でデートしている二人。

焼きソバを分けて食べようとカップルらしいいちゃいちゃっぷりですが、遂に見つけてしまいます。

何を?母親と男(鈴木)が一緒にホテルに入っていく姿を!

追いかける和希。

エレベータの扉がしまる瞬間追いついて叫びます。

クソババア、お父さんがかわいそうだ!

後日、父の思い出を話す和希。

和希が覚えている父親の思い出は一つだけ、父親の手を握って遊園地にいったこと。

沢山のチューリップが咲いていた。

娘をひとり残して死んでしまった父親はどんな気持ちだったのだろう、と。

そして和希の自宅マンション。

一人ぼっちだったときは怖くて聞けなかった究極的な質問をするために戻ってきたのです。

・・・・・それは何か?

自宅では母親がベットで毛布に包まって泣いています。

なんであんな酷いこと言うの?と。

和希は遂に隠していた本音を吐き出してしまいます。

自分の事を嫌っている母親と二人きりで暮らす気持ちがどんなものか?

母が自分を嫌っているのを気付いているのに自分がここにいていいのかって思うではないか?

自分を生んでよかったと思う?

毛布から顔をだした母親ですが、ここで瞬時にYESといえません。

答えてよ!と何度も問いかける和希。

うん、親としてもう、最悪ですね!

遂に完全に関係断絶か、と思われた瞬間、廊下で二人のやり取りを聞いていた春山が割って入ります。

おばさん、あんたが和希をいらないのだったら俺が貰う、と。

ここでようやく、母親が気付きます。

親がお腹を痛めて生んだ子供を嫌うはずが無い、誰にもあげない、と。

遂に膠着状態だった母娘の関係が前進したのです。

ここから、ちょっと映画の時系列の記憶があいまいなので不正確なことを書いてしまうかもしれませんのでご注意。大意はあっているのですが・・・。

横浜ナイツサイドでは抗争の件が遂に具体化します。横浜ナイツの構成員がボコられ始めたからです。

下っ端は俺達がやられちまうよ~と泣き言。

本部は無視しろ、と指令を出しているのですが納まりがつかない春山。

特攻服を着て唯1人で漢東が待つ地下駐車場に突撃。棍棒を右手にくくりつけて飛び掛ります。

どうやらボスを一撃して殴り逃げに成功したようですが春山自身もボコボコにされたようです。

この間2週間。春山は和希の前から姿を消していたのですがようやく見つけたときは包帯まみれでした。

そうとう手ひどくやられたようです。

もっとも、演出上の問題で顔は全く殴られておらず、ボコボコにやられた感じがしません(笑)

※全然軽症っぽいじゃないか!

この件を受けて和希は春山に危険なことをやめて欲しい。

自分自身よりも大事で好きな存在を始めて見つけたと告げます。

しかし、春山はあっさり受け入れたりしません。

自分がいなくても、自分を捨てても生きていける女になれ。

もし自分(春山)を捨てたら、自分が追いかけていくような女になれ、と。

和希サイド。

朝食後、交際相手の鈴木クンに会って欲しいという母親。

自宅で対面しますが、この鈴木がまた煮え切らないタイプの男で和希は苛立ちを募らせます。

しかし、鈴木のこんな一言で自分の信じてきたことが揺らぎます。

それは父親と遊園地にいった記憶。

遊園地に連れて行ってくれたのは鈴木だった!

記憶の中の手は鈴木のものだったのです。

つまり、和希に本当の父親の記憶は全くなかったのです。ガーン!

自分は誰の名誉を守っていたのか?

恋愛体質の母親にネグレクトされた自分。裏切られた父という構図が揺らいでしまいます。

アイデンティティがピンチ!春山・・・助けて!

しかし、面白いことに劇中に和希のホントの父親についての情報は驚くほどありません。

家に父親の写真が1枚も無い、とは冒頭で言っていましたが、誰も問いただしたり触れたりしないのです。

ちょっと不自然ですね。

子供に分からないところで当事者同士なにかあったのかもしれない、もしかしたらどこかで生きている?という仄めかしもありますが、これは不明です。

※そう思っていればいい、みたいなニュアンスでした。

以後、父親の話題は全く無くなります。

そして春山サイド。

再び漢東から、春山に電話です。

どうやら漢東のボスは春山を徹底的につぶさないと気がすまないようです。

何しろ即頭部に一撃された大きな傷が残っているのです。

こっちの方が重症じゃないか(笑)

時を同じくして、横浜ナイツは集団暴走のルート検討をしています。

どうやら彼らはどのルートを集団で暴走するか事前に決めていたようです。

勝手気ままに爆走していたわけではないみたい(笑)

しかし、この集団暴走の情報が事前に漏れて漢東のメンバーが待ち伏せしていることも考えられます。

総長なのに、会議をしているメンバーを遠目にぼうっとしている春山。

遂に暴走実施当日(何ていうんだ、このイベント!)

しかし、春山は2日前からの高熱で調子が悪い。いつも集会をしている港になかなか姿を現しません。

メンバーは大集合し、今にも制御不能になりそうです。

春山はというとよろよろとアパートに戻ってきたところです。

父親の記憶の件でアイデンティティが揺らいでいた和希。

春山に会うだけで何を話すわけでもなく、安定を取り戻しました。

高熱の春山を看病する和希。

春山は飲み物を買ってきて欲しい、また今晩は泊まっていってくれと和希に言います。

買い物帰りに公衆電話で親に連絡をとる和希。

どうやら再婚の話に発展したようですが、これを認めます。

春山はその隙に抗争をとめようとバイクにまたがり、高熱をおして出発します。

体調不良で視界が狭くなっていて、ぐらぐら状態。

しかも、集会所に集まった横浜ナイツのメンバーは出発前に警察がやってきたことで散り散りになってしまいます。

ナイツの暴走に割って入り抗争の火蓋を切って落とそうとしていた漢東も肩透かしです。

一方、バイクで移動中の春山。

カーブの先に警察の検問を発見します。

道路の真ん中にバイクを止めて、180度ターン!

しかし、その瞬間走ってきたトラックにハネられてしまいます。

なんと5mも飛んだそうです。

春山がトラックにハネられた事で和希は茫然自失状態。

病院で春山の手術の結果を待ちます。

この時、メンバーの1人が春山が漏らした本心について語ります。

和希は自分を全然理解していない。

自分は色々酷いことや悪いことをしてきたので、和希が思うような人間ではない。

女の子にも大分ひどいことをして泣かせてきたし、泣こうがどうでもいいと思っていた。

最初は和希についてもすぐにヤッてしまおうと思っていたが、内面があまりにもキレイなので手が出せなかった。

そんな自分が「自分自身よりも大事で好きな存在」であるわけが無い、と。

手術は成功します。

しかし、和希は目の前の現実を夢だと思い込んで何も食べずふさぎ込みます。

自宅でパジャマのまま虚ろに宙を見ている和希。

鈴木が声をかけても届きません。

和希に声が届くのは母親だけなのです。

現実を否認している和希の内面に母の声が聞こえてきます。

遂にこっちへ戻ってきた和希ですが、ストレスで胃液を嘔吐するなどショック状態に。

抱きしめてくれた母のピンクのガウンを沢山汚してしまいます。

遂に子供らしく親に迷惑をかけて、それが何のことは無いと受け入れられる事が出来たのです。

春山と同じ病院に担ぎ込まれた和希。

程なくして目を覚まします。

母に無意識の自傷行為を責められますが、それは親の愛から出てきた言葉です。

そして春山も奇跡的に意識が戻ります。

しかし左半身に麻痺が残ってしまい、今後の生活に支障をきたします。

退院した春山が右半身だけで無理やり自転車に乗ろうとしているのですが、その横を幼児の三輪車?が追い越していきます。

ニコニコ顔の幼児(笑)

苛立ちを自転車にぶつけながらもなんとか進んでいく春山。

そしてエピローグです。

みんな新たな人生に向かって進んでいきます。

横浜ナイツのメンバーは春山が抜けた後も、たむろっているようです。

春山のポジションだったソファーをちらりと眺めますが、空席です。

そしてなんと、前総長はサラリーマンに!

バスでお年寄りに席を譲っています。

持っている筒型容器からして、デザイン系事務所で働いているんでしょうか?

春山はというと、港湾にある鉄工所的な職場で職員と談笑しています。

そこへ制服を着た和希が姿を現します。

半身に不自由が見て取れる形ですが立ち上がる春山。

モノローグでいつの日が春山との間に子供が欲しいという和希。

おしまい

最後に感想など

どうでしたか?

時系列順がちょっとあやふやですが、物凄くレベルの高いシナリオだという事が分かってくれたら幸いです。

いくつかお約束的演出がありましたが、映画が語りたいのは正確な現実の反映ではなくてキャラクターの内面の成長です。

そして凄いのがこれ、携帯電話が無い昭和の時代の物語だという事。

だって公衆電話で連絡とっているんですよ!

モダンは昭和生まれなので違和感無く見てしまいましたが、平成生まれの人が見るとまた感じ方が違うでしょう。

そしてこのドラマ自体、スマホ(携帯)が無い時代だからこそ通用するシナリオです。

今、似たようなドラマを作ったらスマホで位置特定、ツイッターで暴走予告で逮捕とか、族同士の荒らし合戦とか学校裏サイトとか、族がやくざ予備軍とかマルチの草刈場だとか
全く夢の無い殺伐とした物語になりそうです。

そもそも、妊娠堕胎の噂なんて凄まじい勢いで学校中に広がりそうじゃありませんか。

それに、若い頃ヤンチャやっちゃって・・・・という過去を許すほど現在は寛容では無い気がします。

特に春山なんか、職場にツイッターで現役時代の写真とかエピソードを流されるとか嫌がらせを受けそう・・・。

映画内では暴走族という構造自体が一部の若者の通過儀礼的な装置として扱われていましたが、そんなにいいものでは無いし。

モザイク付でテレビに出演したこともある元暴走族の人が言うには

「俺達って基本的に嫌われるじゃん、だからみんなで固まってなくちゃだめだし
仲間は守りあって、1人やられたらみんなでやり返す」

といっており、メインストリートの社会とは違った別の社会組織が出来ているのです。

しがらみ満載で決して自由なものではないですし、現在のあぶれモノであるコミュ障はそもそも群れること自体無理!

それに抗争というのもイマイチどうして発生するのか分からないです。

昔から湘南純愛組とか特攻の拓とか読んでもピンと来ないんですよ。

例えば暴走行為をしていいナワバリがあって、そこを広げるために元居たチームをやっけて服従させるのか、それとも何か金銭的なメリットでもあるのでしょうか?

単にステッカー貼って大きな顔をしていたいから、というにはあまりにもリスキー。

時代に余裕があったからこういう事が出来たのでしょうか?

今の暴走族とかグレた集団というと関東連合みたいなものや、新興宗教の青年部しかイメージできないです。

どれも露骨にカネが関わってきますね。

以前、ヘルズエンジェルズの暴露本が出版されましたが、これもカネとク○リと暴力の世界でした。

ちょっと、本作の横浜ナイツはちょっときれいな暴走族でしたね。

そして演技。

凄すぎ!二人とも超アップに耐えられるマスクをしているのですが演技力がちゃんと備わっています。

あんなどアップ連続なのに違和感がありません。

凄い!

中盤から全く「能年玲奈21歳」の事は気にならなくなりました。

心理描写がメインの映画ですから、能年さんのちょっと湿った無声音の混じったモノローグが頻繁に流れるのですがこれが凄く合っています。

それに茫然自失していたときのモノローグはホント少女って感じでやばかった、21歳なのに。

キスシーンが無いのもわかります。

この声じゃなきゃダメって感じです。

能年さんがどれくらい特殊か、というのは以前ネタバレレビューした私の男と比べてみると分かります。

映画 私の男のレビュー

あの二階堂さんは19歳。

能年さんより2歳年下なんです!

19歳の二階堂さんは濡れ場を演じ、21歳の能年さんはキスシーンすら無い(笑)

どっちも極端といえば極端ですが、これは、女優として特殊すぎです。

事務所が売り出し方を考えるのも分かりますね。

どうやら今後はアート系女優としてフシギ系キャラ感を前に出していくつもりらしいですが、次の作品がどんなものになるかで、今後のキャリアが方向付けられそうです。

エグザイルの登坂さんも思った以上に演技が上手かった!

ゴチに出てきたときはジャガイモとか言ってお馬鹿キャラとして能年さんをフォローしていましたが、映画では凄かった!

映画中ではぐるぐるダンスしているイメージが消えました。

ただ、登坂さんも、こういったちょっと悪い系というかお兄系?キャラ以外を演じられるかどうか重要です。

それに2時間もアップで見ていると27歳と思えなくなってきて不思議。

メイクもあるのでしょうけど、やっぱり内面が反映しているのでしょうか?

役者は色んな役を演じられないといけませんからカラーが少ないとキ○タクみたいになってしまいます。

そして地味なところですが映画のテンポが良かった!

カット割りも邦画にありがちな長回し・遠景撮影が無くて違和感なし。下手にアート感を出そうとする方向違いな努力が無くて素晴らしい。

ぐでぐでのたうっているシーンをワンカットで見せたりするような撮影をしなくて大正解です。

演技力云々じゃなくて、撮影方法なんですよ!

音楽はあんまり印象に無いですね。

これはいいのか悪いのか?

おそらく暴走族の排気音こそ作品のイメージなのであえて控えめにしたのでしょう。

本作にはるろうに剣心の京都のシーンみたいな頑張りすぎて自己主張が強すぎる音楽は必要ないと思います。

最後の最後のまとめとして一言!

この映画ホントに面白い!是非見にいきましょう。

 

コメント

  1. YH より:

    登坂くんはEXILEではありません。三代目です。しかも、ボーカルです!
    ホットロードの原作を知らないとこんな風な捉え方になるんだなと一般的な意見を知れました。中でも気になったのは、ガウンのことで母親に言われるシーンの捉え方…一度原作を読んでみてください。

    • talk より:

      YH 様

      コメント有難うございます。
      そしてご指摘感謝です。

      勢いで一気に書いたので
      登坂氏については良く調べず、事実誤認でした。

      ファンには申し訳ないです。

      今度原作も読んでみようと思います。

  2. SAO より:

    やはり本を読んでからの方が良かったですね。
    和希の父親の事も原作通り。まったく解らないのでよいのです。 

    ロリコンと何度か出てきましたが、これもこの時代中3ともなればかなり大人。今の時代の成人してもフワフワした若者とは違います。 

    能年さん適役ですよ。

    早く探して読んでください。
    ちなみに私はホットロードを別マで読み単行本を待ちび・・・紡木たく様の大ファンでした。
    今高3の娘は我が家に大事に保管して有る私の大事な30年前の紡木様の本をすべて読み終えています。

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