これもTwitterのタイムラインをチェックしていたら発見。タイトル一本釣りだったし、
キンドルで出ていたのでノリと勢いで購入しました(笑)
まあ、分かっていましたけど、ホントにワンアイデアの漫画ですね。
あらすじとしては、例によって女騎士が醜いオークに囚われて○○ピー○○されそうになって
「くっ殺せっ!」っていうエロゲのテンプレ展開のパロディです。
主人公の女騎士はメス奴隷になる代わりにオークの会社の経理になるという物語なのですが、脳筋なので帳簿が全く読めません。
いくら忙しくても、経理知識が無い新人を経理にするっていうのは如何なものか(笑)
バランスシートの読み方を習ったりしながら、徐々に経理知識を身に着けて、
資格をとったぞ!と報告したら簿記3級で原価計算も出来なかったり、
基本的に女騎士のポンコツさが、経理知識のない読者に対して非常に親切な作りになっています。
まあ、これだけなら「テンプレパロディ+職業もの」なのですが、
実はこの漫画、恐ろしい世の中の真実を描いているのです!
いくら凄い個人でも国家の支配から逃れらない
一体どういう事かというと、まずは本作の世界観から説明しなければいけません。
本作の世界は魔族世界と人間世界が戦争をしています。
ところが経済的にも文明レベル的にも魔族世界の方が進歩していて、
実際にオークの会社から人間世界に戻ってきた女騎士が簿記の思考法を披露すると、
大商人が無茶苦茶驚くくらい・・・うん、酷いなw
そして、ドラクエ的なレベル9999勇者のパーティが魔王を倒しに魔族世界に押し入るのですが、彼らは魔族世界で暮らしていく内に、確定申告を初めとする税金の義務に縛られていくのです!
※本作1巻は前半が女騎士のエピソードで、後半が勇者パーティのエピソードになっています。
何で賢者の方が納税額が少ないんだ、青色申告しないとダメだとか、
ダンジョン脱出(リレミトとかルーラ)の魔法のロープは資産で消費したら旅費交通費で落とせとか(笑)
何このお役人最強世界?
そういえば、魔族は勇者の事をテロリスト呼ばわりしていましたし、それは当然といえば当然です。
例えば、日本の大田区の社員30人の町工場が襲われて、工場が破壊されて社員が皆殺しになったら?
しかも怨みとか金銭トラブルでは無くて、その町工場が狙われた理由が「日本人である事」だったら?
これはまさにテロリストの所業!
文明国の魔族からすれば勇者は狂気のテロリストだと言えます。
まあ、まおゆうの頃からRPGの勇者のやってる事って暗殺とかテロリズムじゃない?って突っ込みはありましたからそのラインの解釈ですね。
オークの工場に押し入って従業員ミナゴロシをするような世界最強の勇者でも、
文明世界に暮らせば納税の義務が付いて回るのです!
国家は個人の武勇なんて意に介しない巨大なリヴァイアサン。
モダンもちょっと前に独立してフリーランスになりましたから、
経理や納税関係のネタには物凄く分かる!って感じですし、
国家の徴税能力の強大さは知れば知るほど恐ろしい。
ファンタジー世界で簿記ネタをするのかと思いきや、
モダンの目にはなんだか別のモノが見えてしまいました。
なお、絵柄はどっかで見た事あるな・・・と思ったら、
東京大学物語やまじかる☆タルるートくんの江川達也さんに似ています。
ひょっとしたら元アシスタントが書いているのかもしれませんね。
本作の出自
この記事を書きながらちょっと検索したら、本作はもともとTwitterで連載していたSSが初出との事。
あまりに反響が大きかったから、原作付き漫画として世に出る事になったそうです。
確かに面白いし、簿記とか経理に疎い人でも楽しく読めますから、コミカライズは成功だと思いますね。
2巻以降も楽しみにしています。
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