スピリットサークル6巻のネタバレと感想!最終回について

スピリットサークル6巻 漫画

ついに輪廻転生とボーイミーツガールの物語も大団円。思った通りというべきか、思わせぶりというべきか、作品世界について感じたことについてつらつら書いてみたいと思います。

何というか、収まるところに収まったな、という感じで、最終的には世界の運命と主人公の問題が同一になって解決されるのが本作です。前作の惑星のさみだれもそうでした。

以前書いた記事で予想した通りのラストでしたね。

スピリットサークルの感想!あらすじとネタバレ

ただ、一番気になったのが作品のネタになった魂や神についての考え。やっぱり魂がある!って前提条件を付けるとどうしても超越的な存在が必要とされてしまうのかな、と感じます。

まあ、魂の存在自体がファンタジーで、輪廻転生システムの負の側面を描いたのが懲役339年という作品ですから本作にはまった人はバランスを取る意味で読んでみるといいでしょう。

懲役339年4巻の感想について!あらすじとネタバレ

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ネタバレ込みの感想

個人的にはエイリアンが関係してくるのかと思ったのですが、最終兵器となるソウルキャッチャーを渡すだけに出てきた役割でご都合感が凄い(笑)

もっとも、どうしてエイリアンなんて異物が突然挟まったのか、というのも想像は付きます。

本作の世界は、魂が存在して時間軸を超えて輪廻転生を繰り返すことで霊的な完成を目指す、という世界のルールが存在します。

そして、魂が磨かれるということは、成熟した魂と未成熟な魂が存在するという事。

そうすると芋づる的に超越者が必要となるわけで、それがラストに出てきた宇宙を俯瞰する4人の神で、最終的に完成された4人なのでしょう。

自分で自分を発生させるという考えは、天地創造から最後の審判に向かうキリスト教的な一方通行な時間の経過ではなく、無限に輪廻する時間を持つインド的な世界観です。

これは新興宗教に多いスピリチュアルなテーマで、もの凄く甘いし、魅力的であることは間違いありません。

だから魅力なテーマになりえるのです。

また、宇宙に住む存在全てがこのルールに従うのであれば、地球人以外の知的生命にも転生することがあるかもしれないし、エイリアンもまた魂を持っていることになります。

風子としての過去生で突然思わせぶりに外星系観察者(エイリアン)に遭遇するというシーンはそういう例外を作らないために作中に入れたのかな、と思います。

しかし、そこでフルトゥナを捉える網をもらったりと、はっきりいってシナリオ的にはかなりズルい。網をもらったのも伏線化してないし、唐突なご都合イベントです。

また、フルトゥナの独白セリフや説明セリフが断片的に物語世界を語るだけで、読者の理解は置いてけぼりです。

でも、こういった思わせぶりに断片情報を出して一貫した解釈を拒むのが宗教チックとも言えますね。読者側に再構築をさせることで全体像を無限に大きくできるのです。

最後は甘酸っぱいボーイミーツガールの王道に着地するのですが、踏み外したフォルトゥナという人格の妄執をこれまでの過去生の自分たちが協力して説得するというのが魂の成長を表していると思います。

輪廻転生物語の毒について

なんだかすごく纏まりのないことを書いてしまいましたが、物語としてはものすごく面白いし、微笑ましいのだけど、単純に楽しめないのはぶっちゃけこの世界観は毒だと思うから。

人生は一度きりだし、今生は魂の完成のための修行の一部というわけでもありません。

今、そばにいる人は前世から縁があったわけでもありませんし、生まれも育ちにもアプリオリな意味は一切ない。

人生に意味づけをするために、前世とか魂の完成といった証明できないものを信じるのはマズくないですか?

自分の人生には自分で意味をプレゼントするのです。

この点、ベルセルクは面白くって、神がどうして生まれたのかというテーマについて、グリフィスがフェムトに転生するシーンでの深淵の神との対話でこんな回答をしています。

抗いようのない人生の苦しみや不条理に人間は耐えらないから、その理由付けを求める人の心が集まって生まれたのが神だというのです。

スピリチュアル系とは原理が逆なんですね。

スピリットサークルみたいなスピ系だと、苦しみや不条理は試練だと考えますから、深淵の神が先験的に存在していることが前提条件なんです。

だから、この漫画は面白くて好きだけど、影響されては不味いと考えるわけです。

何にせよ、モダンは作家性の強い漫画は大好きなのです。

水上先生の次回作もチェックしますし買うことは間違いありません。

次はどんな作品かな?

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