山賊のローニャのネタバレ!あらすじと原作の感想を紹介!

あの宮崎監督の息子、宮崎吾朗が監督するテレビアニメ、
山賊の娘ローニャが10月から放送されるのですが、全く話題になりません。
やっぱりジブリを飛び出して作ったせいなのでしょうか?

そこで、ちゃんと原作を読んでみました。

長靴下のピッピで有名なアストリッド・リンドグレーンの原作は
本当に素晴らしい児童文学です。

アストリッド リンドグレーン
岩波書店 2001-10-18
¥ 821

久しく、児童文学から離れた大人のモダンでも
一気に読みきってしまいました。

※アニメはどんな感じだろうか?

いったいどんな話かというとこんな感じ!

あらすじとネタバレ

そもそも児童文学にネタバレなんか無いと思うのですが、
これから先の展開を全部書いてしまうので注意してくださいね。

まず、主人公のローニャ

彼女は山頂の廃城を根城にする山賊の首領の娘として、
雷の夜に生を受けます。

彼女が生まれた日、城に雷が落ちて、城を二つに
分けてしまうような大きな亀裂をつくったのです。

山賊の棟梁の名前はマッティス、妻はロヴィス。
最年長のスカッレ・ペールを始め、沢山の子分を従えて、
森を行く隊商を襲って金品を強奪する事を生業としています。

森にはライバルの山賊ボルカ一味もいますが、住んでいる場所が
違うので決定的な抗争にはなっていない様子。

ローニャはみんなに愛されてすくすくと成長し、遂に1人で森に
出かけるようになります。この時点でローニャの年齢は明かされていません。

城の外にも世界があると知ったローニャ、
この辺りの描写の鮮やかさは正直まぶしいです。

率直で飾りが無く、洗練されているというより余分なものが無い感じです。

森にはクマのような野生動物の他に、灰色小人や鳥女(ハーピー?)などの
怪しげな存在も息づいていて、決して安全な世界ではありません。

ローニャは恐怖を克服するために様々なことを試します。

そして、最後に残ったのが、近寄ってはいけないといわれていた地獄の口です。

地獄の口とは落雷で城に出来た深い亀裂のことです。

挿絵を見ると良く分かるのですが、この亀裂で山城は二分されています。

ここから落ちたら助からない、だから近寄るなとマッティスはローニャに
言い含めていました。

しかし、ローニャは言いつけを破ってこの地獄の口を飛び越えようと決心します。
良くみると、そんなに幅が広くないし、飛び越えることで
恐怖を克服できると考えたからです。

そして、地獄の口に向かうのですが、亀裂の向こう側に男の子を見つけます。

男の子の名前はビルク
マッティス一味と森を二分して対立する山賊、ボルカの息子です。

なんと、ボルカ一味は山賊を取り締まる代官の追及から逃れてアジトを捨て
ライバルのマッティス一味が住まう山城に引っ越してきたのです。

二人は張り合って、危険な地獄の口をピョンピョンと何度も飛び越えるのですが、
遂に足を踏み外したビルクが地獄の口に宙吊りになります。

ローニャは皮ひもを使ってビルクを助けますが、打ち解けない様子で
分かれます。

そしてローニャはボルカ一味が城に引っ越してきたことを父マッティスに
知らせるのですが、最初は誰も本気にしません。

なぜなら城に侵入できそうなところは見はりを立てているし、
層でないところは到底上ってこられそうも無い壁だからです。

しかし、嘘でないことを悟るとマッティスはカンシャクを起こします。
食器を投げたり大声でどなったり・・・・この辺りの粗野な感情表現で
マッティスという男がどんな人物なのか、少しずつ分かってきます。

こういった積み重ねが深みを与えます。ラストはローニャではなく、
マッティスにこそ感情移入してしまいますね。

おまけに、ローニャに山賊という生業を教えることも・・・。
人のものを無理やり奪うという仕事にローニャは
拒否反応を示します。

しかし、10年に1度くらい、まずしい農民に施しを
したエピソードをスカッレ・ペールがするなどして、うやむやに。

マッティスもゆくゆくは仕事の話を教えなければいけないと
分かっていながら言いづらかったのです。

まあ、犯罪で一味を養っている事は言いづらいですよね。

・・・閑話休題

お互い背後に手下を控えさせてマッティスは
亀裂を挟んでボルカと対峙しますが、ここで爆発は起こりません。

ガン付け・メンチ切りで山賊たちは一時解散。

そもそも、どうやってボルカ一味がいつの間にやら
城に引っ越してきたかというと、壁を身軽なビルクに
登らせてからロープを使って這い上がってきたそうです。

殺し合いしかねないようなライバルと一つ屋根の下に住むとは
ある意味、凄い神経(笑)

マッティスはどうにかして、ボルカ一味を城から追い出したいのですが、
いいアイデアは浮かびません。

しかも、ボルカ一味が城壁を縄梯子で上り下りしている現場を掴んで
急襲した際に矢を射掛けられ、手下の1人が首に傷を負います。

彼の命は無いかと思われましたが、なんとか助かりました。
しかし収縮した首の筋肉のせいで常に首を傾げたような形で
固定されてしまいます。

この辺りも結構、ぎょっとするポイントですよね。

漫画だと傷が治っても後遺症として障害を連想させるような
姿は描写しづらいでしょう。

この一件でマッティスはますますボルカを憎みます。

ただ、妻のロヴィスや最年長のスカッレ・ペールは
争ったら共倒れになると、マッティスをいさめる側に。

一方、ローニャはというと変わらず一人、森で過ごしています。
ところが今までと違って、今度は森でビルクを見かけるようになります。

「自分の森」が侵されたようで、気に食わないローニャ。
言い争いをする二人ですが、突如深い霧に囲まれて前後不覚に
なってしまいます。

まるで森の生き物が全部いなくなってしまったような異様な気配に
ローニャは慄きます。

はぐれないよう、二人は紐でお互いを結んで城へ向かって帰りますが、
その時、深い霧の置くから「地下のものたち」の歌声が聞こえてきます。

この歌声に魅了されると地下へ引きずり込まれてしまうのです。

しかし、ローニャはそれを知っていながら、抗えません。
ビルクは噛み付かれたりしながらも、ローニャを必死で止めます。

※海だとセイレーンの歌声が有名ですが、森にも伝説があるのですね。

やがて霧がはれ、二人は無事城まで帰ることが出来ました。

こんなトラブルが起きつつ、季節は冬になります。

冬には狩りも出来ないし、水を汲みに行くのも大仕事。
夏の間蓄えた食糧の備蓄でやり過ごします。

そんな大人たちの事情をちゃんと理解しつつ、
冬の山をスキーで散策しています。

しかし、灰色小人の住居の天井を踏み抜いてしまい、
足を取られて動けなくなってしまいます。

雪や土の下の足には灰色小人の子供がぶら下がって
遊んでいます。

雪山で動けなくなる。夜になれば凍死の危機です。

ローニャは助けを叫びますが、森には誰もいません。
しかし、死を覚悟したローニャのところへビルクが現れて
足を引き抜いてくれます。

ローニャは自分でも制御できないくらい泣き出してしまいます。
この時、ふたりは「きょうだい」になる事をちかったのです。

冬の間の出来事はこれだけではありません。
ローニャはかつて地下牢だったところに足を運びます。

ここは地獄の口の底で、落雷で大量の瓦礫や石が詰まって
行き止まりになっています。

ローニャは毎日毎日石をどけて、遂に向こう側への連絡口とも
いえるような秘密の隙間を空けてしまいます。

ビルクに会いたかったからです。

ただ、同時に自分の行いがマッティスに知れたら、
この隙間を使ってボルカ一味に何をするかと心配します。

ローニャはビルクのところへ行こうと決心し、
地下牢だったところに行き、ビルクと再開します。

久しぶりに会ったビルクは痩せて、髪もぼさぼさ状態。

何故なら、ボルカ一味はマッティス一味と違って冬の備蓄が
十分でなかったからです。

おまけに水を汲みに行くのも、雪が吹き付ける中、
桶を持って城壁を縄梯子で上り下りするという難行があります。

ボルカ一味は餓えていました。

ローニャはこっそりパンやミルク、小麦などをビルクに差し入れ
髪を梳いてあげます。

この時点で二人の関係が無自覚な恋に発展した感じです。

そして、遂に辛い冬が終わり、春が来ました。
この辺りの春を待ち望む心情や春が来た時の山賊達の
テンションのあがり方、北欧の作者だからなのでしょうね。

もう、命が芽吹く春がどれだけ素晴らしいものか丹念に描写します。

春の森で二人は遊びます。

しかし、大きな転機が訪れます。

それは、マッティスがビルクを捕まえてしまったこと。
マッティスはビルクを人質にボルカを城から追い出すつもりなのです。

再び亀裂を挟んで対峙する二人。

マッティスはボルカを脅迫しますが、人質という手段に
我慢できないローニャは自分から亀裂を飛び越えてボルカの元へ。

最終的に人質交換で元の鞘に戻ります。

この事件以後、マッティスはローニャを無視し、人が変わったように
ふさぎこんでしまいます。

マッティス一味のムードは棟梁次第でしたから、
重苦しい空気がよどみます。

親同士が憎みあうというこの状態。

遂にローニャとビルクは二人で家出をしてしまいます。
生活に使う道具や多少の食料などを持って
かつてマッティスが教えてくれた「クマの洞」で暮らすことに。

二人は鳥女の群れに襲われて、ゴックリ滝に飲まれそうになったり
命の危機を乗り越えながら素晴らしい夏を思い切り呼吸します。

ここで凄いのが冬が来るまでの命だろう、とビルクが覚悟していて
あえて冬のことは考えずに最後の時間を使いきろうと
している心情
です。

15章のこれかぎりの夏、ですね。

蛍の墓みたいに二人で生きていけると思ったけど、ダメでした・・・・
ではなくて、先にある死を覚悟しているのです。

ローニャもビルクも自然の素晴らしさも厳しさも良く
知っているが故のこの境地。

そして、ローニャもビルクがクマの洞に残るのだったら
最後まで自分も一緒にいようと決意しています。

また、驚くべきことに二人の会話から初めて、
ローニャがまだ12歳だということが分かります。

私はいままで12回冬を越えてきたけど・・・のくだりです。

どれだけ、生きるとか死ぬという事が鮮明なのか!

人工物に囲まれて生きているんだか死んでいるんだか
分からなくなってしまった鬱病患者を生み出している現代こそ
異常だと思わされます。

そして、だんだんと季節が秋になってきます。

すると、まずスカッレ・ペールがクマの洞に現れて
城へ戻ろうとローニャを説得します。

ローニャの家族達は何処へ家出したか、
十分に想像がついていたのです。

そして、代官が山賊狩りを強め、数人が捕らえられたという
現状を教えてくれます。

それから、暫くして今度は母ロヴィスが現れます。
父マッティスがローニャを深く心配して、帰ってこないのだったら
自殺しかねないということを伝え、当座の生活に必要な食料を
置いていってくれたりします。

こんな風にローニャの家族が現れる度にビルクは傷つきます。
ローニャは冬になったら自分を置いて城へ帰るだろう・・・と。

家族が現れるたびに、自分と一緒にいる時のローニャと
別人になってしまう。

この辺りの繊細な心情も素晴らしいです。

そして、遂に最後に父マッティスが現れ、
ローニャと和解し、ビルクを認めます。

城に戻ったら、ローニャに会っても良い、と。

ビルクは意地を張って冬もクマの洞で過ごすと
言い張りますが、ローニャに命を粗末にしてはいけないと
説得されて受け入れます。

ついに二人は家出をやめて城へ帰ることになりました。
子供達が帰ってきたことで城は活気を取り戻します。

その後、代官の締め付けで山賊家業が厳しくなってきた
現状を踏まえ、マッティスとボルカが決闘、けだもの試合をして
勝ったほうが二つの山賊団を合わせたボスになることに。

結果、マッティスが勝利し山賊団は一元化されて
強力になります。

代官を出し抜いての襲撃も上々の様子。

残された問題はわずかです。
それは、ローニャもビルクも山賊になりたくないということ。

しかし、解決策は思わぬところから出てきます。

それは老齢でいよいよ死期が迫ってきたスカッレ・ペールです。
かれは、誰にもいってはいけないある秘密をローニャに教えます。

その後、徐々に衰弱して一味が看取る中、大往生します。

この時のマッティスの傷心ぶりが胸に迫ります。

「この男は、いつでも、いたんだ!それが、もう、いやしない!」

「ねえ、マッティス、いつでもいられる人なんて、いやしないのよ。
わたしたちは生まれて、そして死ぬ。今まで、ずっとそうだったのよ。
なにをそんなに悲しがるの?」

「だけど、この男がいないと、おれはつらいんだ。」

「この男がいないと、胸がはりさけるほどつらいんだよ!」

ローニャの父親のマッティスという人物は、神話的な・・・ある種、
英雄的な造詣をしています。

感情表現が素朴で、
例えるならメソポタミア神話のギルガメシュが近いでしょう。

彼も友人エンキドゥが死んだ後、遺体につきそいました。
そして遂に友の遺体に蛆がわいたことで死を理解したのです。

そして、物語は季節と命が春、夏、秋、冬と巡りっているさまを
人物の生死や成長を通じて謳います。

児童文学の傑作といわれるも納得です。

そして、ラスト。

スカッレ・ペールが残した秘密とはなんだったのか?

それは、彼が鳥女から灰色小人を助けたときに教えてもらった秘密。
銀鉱山のありかです。

かねてより、山賊を廃業する事を提案していたスカッレ・ペールでしたが、
もしも、マッティスがそれを受け入れた後は、
秘密を教えて一味が鉱山師として生きる道を示すつもりだったのでしょう。

山賊にならず「どうやってくらしを立てていけばいいのかなぁ」を
将来に悩むビルクに鉱山師になることを提案するローニャ。

ふたりはその時まで秘密は取っておく事にして春を謳歌するのでした。

「こわがらないでね、ビルク」

「いま、わたしは、春の叫びをあげるから!」

最後に

どうだったでしょう。

原作未読の人も山賊の娘ローニャが自然や生命を題材にした作品で
ある事は十分に理解してもらえたのではないか、と思います。

そして、先日予告映像が公開されました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃーーーーー!!

なんでシドニアの騎士みたいにCGをセル調にしているの!?

結構厳しい話なのに、なんか主題歌はぽわぽわした感じだし!

無茶苦茶地雷の香りがします。

ジブリで作ったら絶対にセルCGなんかにはしなかったと思いますが、
どうおもいます?

制作費やらなんやらの問題や実験作だということを踏まえても
これはないんじゃないの?

まあ、youtubeということもあり、動画が劣化している可能性も
あるでしょう。

なにより、再来月(10月)には放送開始するのですから
もう黙って待つより他無いですね。

宮崎吾朗監督が偉大なる父と違う道を選んでいる、と
言えばその通りですが、まだ人物にCGを使うのは
厳しいですよねぇ。

だいじょうぶかなぁ。

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