コミックになる前から、最終話がヤバい事になっていると
ネットニュースで流れていましたが、なんとか希望が持てる感じで
終わってよかったです。
やっぱり押切先生はエンターテイナーですね!
私生活を切り売りしてもまったく面白くないどころか、
不快になるようなタイプのエッセイ漫画家は多いですが、
押切先生の作品は本当に面白い。
ダメな俺、みたいなジャンルのエッセイ漫画は沢山あります。
しかし、巻を重ねるごとに作者の内面描写が充実してきて、
共感どころか自業自得だろう、と思ってしまい、
最後には不快に感じるようになる事が多いのですが、本作は全然違います。
モダンは押切先生と同い年という事で、
世代的な親近感があるのかもしれませんが、
それにしても本当に漫画が上手いと思います。
ピコピコ少年はゲームの進歩と一緒に半生・・・というか、
人生を過ごしてきた押切先生のエッセイです。
エピソードはゲームだけでなく、思春期あるあるネタとか、
ぼっちあるあるネタも多く、オタククラスタの人間にとってはもの凄く共感できます。
でも、なんだろう。それだけではない共感ポイントがあるんですよね。
モダンをはじめ、ほとんどの人は押切先生のように、
ずっと好きだったゲームと付き合い続けられるわけではありません。
あんなにハマっていたゲームで遊ばなくなり、
惰性でゲームを買ってはパッケージの封さえ切らずに積むとか、
あるいは時間が無くなってPRGが出来ないとか、
反射神経が鈍ってアクションゲームが出来ないとか。
今ではニコ動の実況動画をみるだけで満足する自分がいたりします。
モダンもメガテンの最新作は買うだけで遊んでいませんし(汗)
その状況になんとなく、引け目を感じる自分がいて、
押切先生がその代わりをしてくれている、みたいな感情があるかもしれません。
これってひねくれたノスタルジーとか代償行為なのかな(笑)
ネタバレ
本作は1話完結型の作品なので、これといった筋は無いのですが、
問題は最終話です。
ハイスコアガール問題が勃発した時のメンタルが語られているのですが、
もう自己卑下がハンパないです。
おごり高ぶった自分とか糞袋とか・・・・。
ダウナーな気分になって鬱々と横たわる姿が見てらんない。
あんなの出版社の問題で、押切先生が気に病む話ではないと思うのです。
むしろ、押切先生以外の作家だったら出版社と喧嘩別れしていても、
おかしくないレベルだと思います。
ホントのところは当事者でないと分からないのでしょうけれども、
アニメ化を前にして訴訟ですから、周囲の期待で舞い上がった高度から、
一気に叩き落された感じでしょうね。
おまけに仕事をしようとしたら、PCがクラッシュしたり。
こういう泣きっ面に蜂なところは、
「背筋を伸ばして」でも繰り返し語られていました。
でも、最後はPCトラブルを助けに来てくれた友達の助言で、
吹っ切れます。
そして、これからもゲームに夢中になっていられる、
辛い時に支えてくれる、という希望がある終わり方でした。
こんなに好きなゲーム(の著作権管理)が原因で訴訟とか、
押切先生にとっては残酷な話ですよね。
訴訟事なんかさっさと落ち着くところに落ち着いて、
ハイスコアガールが再開することを切に望みます。
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