テルマエロマエで大ヒットしたヤマザキマリさんと、
多趣味博識なSFマニアとして知られるとり・みきさんの合作です。
面白く無いわけがないですね。
モダンの知識的にはプリニウスというと博物誌、くらいしか思いつかないのですが、
本作を読んでから色々と知識が増えてきたような気がします。
ネロ皇帝と同時代の人だったとか今更ながら知りました(汗)
なお、プリニウス自身については、ちゃんと死因もはっきりしていて、
火山の噴火が原因で喘息を悪化させて無くなったらしい・・・のですが、
wikiを調べてみたら、直接的な原因は噴火に伴う有毒ガスでの中毒死らしいです。
それを踏まえての事だと思いますが、
2巻では喘息ネタも盛り込んでいて、当時のローマの民間療法を紹介しています。
馬の唾液を飲むといいとか・・・・(笑)
こういった小ネタを突くところがヤマザキマリさんやとり・みきさんの面白いところだと思いますね。
そして、二人の絵柄がほとんど喧嘩してないです。
合作との事ですが二人が一体どんな形で作業分担しているのかさっぱり。
原作者と漫画家ではなく、二人とも漫画家ですし一家言ある人達ですから、
譲らないのかと思いきや、完全に融合しています。
ここまでざっと思いつくままに書いてきましたが、本作の面白いところはローマのトリビアだけでは、
ありません。
暴君というよりも軟弱呼んだ方がいい感じのネロ皇帝とか、
喋る事が出来ない美貌の娼婦とか、
その娼婦に恋したプリニウスの若き書記とか。
博物誌に関する物語だけでなく、人間ドラマも動き出しそうな感じです。
娼婦に入れ込むローマ皇帝とか、もうスキャンダルになる事間違いなし(笑)
「人間ネロ」の物語は結構沢山の創作物で描かれていますが、
本作ではプリニウスとどう絡むのか?
非常に気になるところです。
TVもラジオも写真も無い時代では、世界の不思議について滔々と語ってくれる人物は、
癇癪持ちで暴君のネロにとっても重用すべき存在です。
もっとも、博物誌については、なんでもいいからとにかくまとめて理由を付けた!と、
いう趣のある書物ではありますが、成立時の日本はまだ縄文式土器の時代です。
何せ大化の改新どころか金属精錬、都市の建設すら行っていなかったのです。
そんな2000年前の大学者の生涯をどんな風に語ってくれるのか。
続巻を楽しみに待つことにします。
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