キンドルで見つけて安かったので買ってみた作品ですが、もう大当たり!
あまりにも凄い生い立ちに仰天です。
まず、モダン的に読者の方にお伝えしたい事があります。
それは、
現状がピンチの人、鬱病の人、
自殺したい人ほど読んでください。
今の人生がままならない人ほど、
本作を読んで活力を得てほしいと思います。
このエッセイ漫画を読んだら、大概の苦難は吹き飛びます!
タイトルのトコノクボというのはもちろん、「僕の事」を逆さまにした言葉です。
いったいどんな内容なのでしょうか?
あらすじ
本作は、榎本よしたかさんというイラストレーターの半生を
赤裸々に描いた自伝漫画です。
モダンは知らなかったのですが、この方はTVに度々出演したり、
大きな仕事をなさっていて、
イラストレーターとしては安定したポジションにいます。
そんな榎本さんですが、幼少期から青年期にかけては
酷い苦労を背負っていたのです。
まず、子供の頃から絵を書く事が大好きだった事から、
イラストで身を立てていきたいと考えていたのですが、
工業高校卒でまずは地元の家具製造メーカーに就職。
まだプロとして活躍する事は出来ず、
あくまでも一人でコツコツ書いていたようです。
ところが、ここでアクシデント。
どうやら、暴君の父親を持ち、家庭的にはあまり落ち着いていなかったようです。
にもかかわらず、父親は借金を残し障碍者に・・・・。
この時代の事をリアルに想像するとまさに暗黒時代です。
モダンの家庭にも認知症の老人がいるのでこの辛さは共感出来ます。
しかも、この直後に榎本さん自身が交通事故!
そして25歳の頃、ついに父親が亡くなりようやくイラストレーターとして
生きていこうと会社を辞めてしまいます。
18歳から25歳まで働いた会社を辞める、しかも父親の借金ありで!
凄すぎです。サラッと書いていますがここで絶対に安定を取るか、
夢を取るか葛藤があったはずです。
そして退職後はイラストを描いて報酬を得るという仕事を得ていくのです。
この辺りは立身出世物語といった感じで、
田舎でくすぶっていた才能ある青年が都会で刺激を受けるとか、
評価されるといった非常に前向きな話が続きます。
地方の閉塞感や「イケテてない」感じが凄く伝わります。
モダンはずっと東京で働いてきたので、そういう事に驚くのか、と逆に新鮮でした。
地方が衰退するわけです・・・。
と、このままイラストレーターとして大成するのならいいのですが、
さらに不幸の追い打ちが来ます。
まず、親族で行き場の無くなった認知症の祖母を引き取ります。
それからおそらく精神のバランスを崩した親族から借金を背負わされます。
せっかく、暴君の重荷がなくなったのに、認知症の親族を引き取ったり、
仕事が軌道に乗り始めて父親の借金も少しづつ返していたのに、
更に借金の上乗せです!
まさに血は呪縛!
普通だったら、この辺りで心がポッキリいっちゃってもおかしくないレベル。
今の自分に閉塞感を感じているという方がいたら、
この状態をリアルに想像してみてほしいです。
モダンを含めほとんどの人は榎本さんよりも条件が恵まれているハズです。
しかし榎本さんはへこたれません。
稼げばいい!と思考転換し、一層の技術アップや営業に力を入れていくのです。
感想
本当に凄い!
これだけ人生に自分由来でない責任を負わされていても、
成功する事は可能なのだと確信させてくれます。
もちろん紛争地帯とかアフリカのスラムといった、
もっと恵まれていなくても成功した人の話は沢山ありますが、
あまりにも自分の身に置き換えるのが難しすぎます。
その点、現在日本に生きる榎本さんには臨場感が湧きます。
そして、フリーのイラストレーターとして生きていく方法や、
仕事の広がり方は非常に勉強になります。
疲れたり、自分を憐れんでしまうような元気がなくなった時には、
本書を読んで奮い立たせましょう!
オススメの一冊です。
※キンドル版のみですが、なんと190円です!
こういったキンドルオンリーの作品が沢山出てくれば、
電子書籍は盛況になるでしょうね。
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