オーバーロードの面白さについて存分に語ってみる|ライト文芸

オーバーロード特装版 オーバーロード
オーバーロード特装版

思った以上の人気が出て、アニメ化前からの読者としては凄く嬉しいですね。そこでどうして面白いのか?という事について独断と偏見で書いてみました。

私の場合、気に入った作品があった時だけ2chの掲示板で評判をチェックするのですが、オーバーロード板のスレッドの消化速度には驚くばかり。

アニメと文芸をチェックしていますが1日1スレッドを消化するなんて、思ってもいなかったです。

書籍が品薄になったせいでアニメからファンになった人の飢餓感が、煽られたせいかと思ったのですがそれだけでは無いでしょう。

オーバーロードは読んだら語りたくなるような作品なのです!

オーバーロードの面白さ

モダンが考えるオーバーロード(以下オバロ)の面白さとは下記の要素です。

  1. 最強ものだけど、人物描写がしっかりしている。
  2. 伏線が多く、情報を小出しにしているので再読に耐える。
  3. かつてのファンタジー・TRPGクラスタの読者をひきつける世界観と内在的論理。

順番に説明します。

人物描写について

まず人物描写ですが、これは最強ものジャンルでもかなり異色です。いわゆる「俺強ぇ系」の小説とはかなり差別化されています。

これまでの「俺強ぇ系」作品の場合、いかにも作者の欲求や、こういうのが好きなんでしょ?的な底意が透けて見えてしまい、モダンのような中年読者には読むのがキツい作品が多いです。

実際、魔法科高校の劣等生を読むのはかなーり精神力を削られました。

初めて読んだときはこれがウケているというのがにわかに信じられず、もうラノベはチェックする事も不可能になったと寂しく思ったくらいです。

主人公が超絶完全無敵な点が話題になったのですが、彼のスペックはこんな感じです。

司波 達也(しば たつや)
声 – 中村悠一
本作の主人公。身長175cm、体重70kg。1年E組(二科生)→2年E組(魔工科生)。風紀委員会(2095年4月〜2096年3月)→生徒会副会長(2096年4月〜2096年9月)→生徒会書記長[10](2096年10月〜)。
生年月日は2079年4月24日。実の妹である深雪と同じ新入生だが、双子ではなく、深雪は早生まれの年子の妹である。身長は約175センチメートル、筋肉質な体つきをしているが着痩せするタイプ。容姿は自己評価で中の上、女子生徒からの評価は「まあまあ」とそこそこの評価を下されている。
魔法実技の成績は悪く、ペーパーテストではトップというアンバランスな結果を残した二科生として魔法科高校に入学する。将来は魔法技能師の中でも、魔法機具の作成、調整などを行う魔法工学技師を志望している。二年進級時に今までの功績から魔工科生に転科し、あずさと花音の取り決めから、深雪と同様に生徒会副会長となる。深雪の生徒会長就任後、深雪の「お兄様の役職が自分より低いのは許容できない」という意向により書記長に選任された(生徒の多くはそれを微笑ましく見ている)。
通常の魔法師としての才能を持たずに生まれるが、6歳のとき「人造魔法師実験」の被験者にされ、「人工魔法演算領域」を与えられた唯一の成功例となる。魔法科高校における実技の成績が悪いのは、この人工魔法演算領域の性能が一般的な魔法師が生来持つ演算領域と比べて著しく劣るためである。どのくらい性能が劣るかというと、自由落下の慣性エネルギーを完全に打ち消せず、高所からの落下で大怪我をしてしまうほどである。このため実母の司波深夜からは、「ガーディアン(後述)としてしか使い物にならない」と見なされていた。
しかもその演算領域のスペースを確保するために意識領域内の「強い情動を司る部分」をたった一つの感情を除いて全て消失させられたため、彼には最低限の感情しかなく、激情が抑えられ、感じられなくなった。そのため常に達観した考えを持つ冷静沈着な性格であり、中には「枯れている」と評する友人もいる。達也に残された、ただ一つ激情を感じ得る衝動は「深雪への兄妹愛」のみであり、妹が絡むと普段の態度からは考えられない行動(激しい怒りや狼狽など)を見せることがある。いわば、妹としての深雪という存在を唯一の生き甲斐とし、心の支えにしているところがある。
叔母の四葉真夜が現当主である「四葉家」においては、2097年の慶春会までガーディアンと呼ばれる低い階級にあり、次期当主候補である妹の深雪を命に代えても守護するというボディガード任務に半永久的に縛られていた。もっとも、四葉の任務がなかろうと妹を守ることは彼自身にとって最優先事項である。四葉に対しては面従腹背の立場であり、いつか深雪と共に四葉の支配から自由になることを目指して日夜研鑽を積んでいた。
自宅に魔法工学研究施設を持ち、最新鋭のCAD(術式補助演算機)調整機器を自身や深雪の調整に用いている。タフな体質で、毎日妹よりも遅くまで起きて魔法の研究をし、妹よりも早起きして武術の修行をするという、妹が心配するほどハードなスケジュールを常に続けている。
通常の魔法を使えないのは、現代魔法としては最高難度とされる「分解」と「再成」に生来の魔法演算領域を完全に占有されているためで、そこに限れば「四葉」直系に恥じない特級の処理能力を持つ。現在でも、この二つ以外の魔法は全て「人工魔法演算領域」でしか行使できない。また総合的な魔法力の欠陥を補うように魔法関係の知識は豊富で、魔法工学のエンジニアとして優れた才能があり、若くして会社員及び開発者としての収入も得ている。精神改造の副作用で直観像記憶と似た記憶力を持ち、高校生離れした知識量はそれによる所がある。
純粋な学力だけでなく、赤子のときから魔法に頼ることなく戦えるよう訓練を受けてきた為に、非常時や実戦における咄嗟の対応力や戦闘能力は超一流のレベルである。過去の事情から国防陸軍の実験的な部隊に事実上組み込まれており、「戦略級魔法師・大黒竜也特尉」の偽名で登録されている。異名は摩醯首羅(まけいしゅら/マヘーシュヴァラ)で、3年前の大亜連合による沖縄侵攻の際に、侵攻軍と内通していた国防軍の叛逆者によって深雪を傷つけられたことから、侵攻軍に対して報復することを決意。「分解」と「再成」を駆使し、侵攻してきた大亜連合軍をほぼ殲滅、投降まで追いやった。それらの行動から「分解」は「Demon Right(悪魔の右手)」、「再成」は「Divine Left(神の左手)」と畏怖され、達也自身は「摩醯首羅」の異名で呼ばれており、レイモンドからは「破壊神(ザ・デストロイ)」と呼ばれている。
貢の話によると、2062年の真夜の大漢拉致事件の悲劇から、四葉家において魔法師を超えた超越者の誕生を望む思想が起こり、深夜の妊娠が判明してから、彼女の精神構造干渉魔法によって自分たちの望みを叶える超越者に生まれることを期待され、自分たちの願いを深夜とお腹の子に言い聞かせた結果、自分たちの願いと深夜の世界への憎悪から世界を破壊する魔法を備えて生まれ落ちた。その後、自分たちの行いと達也への恐怖から分家当主が達也の抹殺を唱えたが、当時の当主であった英作が四葉の力とするべく、最強の実戦魔法師として鍛え上げ、魔法の暴走を抑えるために人造魔法師計画で人工魔法演算領域と引き換えに、実母の深夜の手によって情動のほとんどを奪われた。その力で6歳の時に、30代の実戦魔法師を殺し合いの中で血の海に沈めた。しかし真夜の話では、世界への復讐を望んだのは深夜ではなく真夜の方であった。この背景から分家の当主たちからは、自分たちが深夜の気持ちも理解せず身勝手な願望が生み出した忌子として忌避され、周りの使用人たちには徹底して魔法力の低いだけの存在であると認識させてきた。
戦闘任務に赴く魔法師としては、分解と再成、及びその副産物である特殊な知覚能力、そして並外れて大きなサイオン保有量を応用した戦術で魔法力の弱さをカバーしている。四葉家による過酷な戦闘訓練を基礎として、陸軍部隊への所属と同時期から忍術使い・九重八雲に師事し、兄弟子でもある部隊長に準じる体術の技量も備える。愛用のCADは、高性能な特化型CADシリーズ「シルバー・ホーン」のチューンナップモデル「トライデント」が二挺。二科生であるにも関わらず(魔法力を除いて)高い能力を持ち、様々なトラブルを解決したため今まで二科生を見下していた一科生の生徒の態度を改めさせたことも少なくない。だが、本人はあくまで誇ったりはしておらず、むしろあまり表舞台には立ちたくないと思っている。
中学生の頃はその高い能力と達観した考えの持ち主から、一部の女子生徒から好意を抱かれていたが、近づきがたい雰囲気から告白されることは少なかった(告白されても断っていた)。高校入学後も当初は二科生という事もあり侮られていたが、九校戦での活躍と鍛えられた姿勢や雰囲気などの要素から九校戦終了後は女子からの人気を集め、進級後は暴走する深雪を鎮めた件も含め三年女子からも理想の「お兄様」と称されるようになる。尚、明確に好意を抱いているのは、現在のところほのかと亜夜子であるが、他にも紗耶香も当初は好意を抱き、エリカと真由美も好意を抱いている節がある。
本人は否定しているが、トラブルを招きやすい性質であり、周囲からは「トラブルに愛されている」とまで言われている。友人たちによるイメージはマッドサイエンティストや、勇者というよりもラスボスなどである。現在登場している「分解」のバリエーションは、物質を元素やイオンへと分解する「雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)」、起動式や魔法式を直接分解・無効化する「術式解散(グラム・ディスパージョン)」、領域干渉・情報強化・対象物の分解を一連の行程として三連続で発動させる「トライデント」、物質をエネルギーに分解する戦略級魔法「質量爆散(マテリアル・バースト)」などがある。達也の戦略級魔法は非公開であり、管理されなければならない国家機密でもある。使用には数々のセーフティを施された専用CAD「サード・アイ」を用いる(サード・アイを用いなくても質量爆散は使用可能であるが、その場合、有効射程距離が著しく低下する。サード・アイを用いた場合はOTH【オーバー・ザ・ ホライゾン=超水平線】精密射撃が可能となる)。
また、7巻で詳細が明かされた「再成」は、エイドスの記録を遡り読み込んだ過去の情報をそのまま対象に上書きして、24時間以内に起こったあらゆる負傷・損傷をなかったことにするという破格の魔法である。即死でさえなければどんな怪我でも一瞬で完治させられる(なかったことにできる)が、代償として対象のエイドスの情報を読み込む過程で対象者が味わった苦痛を何倍にも圧縮して味わわなくてはならない。この魔法の応用として、一定以上の損傷を受けた肉体を一瞬で無傷な状態に復元する「自己修復術式」が登場している。上記の二つの魔法に加えて、最高クラスのサイオン保有量を活かした対抗魔法「術式解体(グラム・デモリッション)」を使いこなす。来訪者編でリーナのブリオネイクを見てFAE理論の実証を目撃し、十三束との模擬戦で雲散霧消が通用しない相手に備えて、FAE理論を用いた新魔法「バリオン・ランス」の開発を九重寺で行い、2097年の元日までには完成させていた。
また、生来の魔法の副産物としてイデアに直接アクセスする特殊かつ高精度の知覚能力「精霊の眼(エレメンタル・サイト)」を持っているため、障碍物に関係なく存在を知覚したり、「情報」そのものである起動式や魔法式を視認して瞬時に解析し分解できる。
CADのソフトウェア開発の分野で第一線級のプロのエンジニアとしてFLTのCAD開発第三課と共に多くの功績を上げているが、それらは息子の才能を羨み恐怖した実父の策略で「トーラス・シルバー」という架空のエンジニア(後述の牛山を参照)の功績とされ、本人が直接の脚光を浴びることはない(ただし、達也本人は地位や名声といったものに興味がないので気にしていない)。
2097年度の慶春会で真夜が達也を四葉に引き留めるための策として、真夜の息子であるという虚偽の発表がされ、次期当主である深雪の婚約者として指名された。

出典Wikipedia
URL:https://goo.gl/GH1EQh

何かの拷問かと・・・、黒歴史ノートかと思ったくらい。

この主人公がウケるという事が受け入れられない自分が時代遅れになったと感じました。

実際、最近のラノベはかなり需要に先鋭化しているので、あらかじめラノベだというマインドセットをもって読まないと厳しいです。

しかも、主人公がどれだけ強いかを描写する為に、周囲が極めて無能に描写されたりするのでますます萎えてしまいます。

また、その判断基準が作品世界の物差しですから、読者に凄さを知らしめるため、ますます説明セリフと驚愕描写が激しくなるわけです。

そして俺強ぇ系にありがちなのが、脇役のキャラクターが物語上の状況を演出する為の装置になり下がっている事が多いです。

驚愕する群衆、彼は驚きを代弁する役、崇拝する役、嫉妬して足を引っ張る役、ボコられる役・・・。

これはモダンが学生の頃読んでいた作品にはそんなに目立たなかった傾向です。

例えば銀河英雄伝説でも極端に愚劣な人物が登場しますが、彼らがどうしてそういう行動を取るのか、という事について理解できるよう、経緯を描写する手間を加える事で不自然にならないようにしていました。

アンドリュー・フォーク准将のような転換性ヒステリーで誇大妄想狂の人物が、どうして大軍の進攻作戦を立案できたかというとラザール・ロボス元帥が耄碌したせいだとか・・・。

フォーク准将

フォーク准将

ところが俺強ぇ系作品ではあまりにも主人公に焦点が当たっているため、脇役に紙幅を割かないのです。

その為、脇役が理解不能で極端に無能な人物に見えてしまうのです。

作品を読むと最強主人公が読者の分身となってやりたい放題する快感を得られる、その読書体験を与える事に特化して作品が出来ているように感じるのです。

甘いもの好きだよって言ったら角砂糖とかサッカリンをドンって出された感じで、いや、そうじゃないんだ!甘いものっていうのはチョコレートとかアイスクリームとか、ちゃんと料理したものの事なんだよって。

なんだか、いち読者として凄く貶められた感じが受け入れられません。

さて、オバロに話を戻しましょう。

オバロの場合は、おそらく意図的にだと思いますが巻が進むにつれて、アインズからカメラを離して、周囲のキャラクターを描写する事で相対的にアインズが目立つような形にしています。

アニメ化された1~3巻まではアインズに焦点が当たっていて、アインズがどんな人物かという事が良く分かりますが、それ以降は出番が減りますし、むしろ脇役に感情移入させるような作りになっています。

4巻(蜥蜴人の勇者)なんて主役交替レベル(笑)

7巻(大墳墓の侵入者)に後味悪いという感想が多かった事は覚えていますし、モダンもアルシェは叙述トリックで生きているのかな・・・とうっすら希望を持ったくらい。

とにかくひたすら主人公だけを描き続ける傾向のある俺強ぇ系作品とは、大分傾向が異なります。

脇役こそ掘り下げられており、そんな説得力があり分厚い描写をされた脇役から見た主人公がどれだけ凄いか?と、いうスタンスで俺強ぇを演出しているのです。

また、主人公がストレートに読者の分身にならないように仕掛けがあります。

アンデッドなので、食欲・性欲・睡眠欲が無くなり、感情の起伏が平坦になったり、通常ならハーレムになりそうな崇拝者の女性キャラとの関係を複雑にしたり、極度に過大評価される事で、崇拝者のイメージを壊さないように努力するハメになったり。

3行目はエンジェル伝説とかカメレオンとかデトロイトメタルシティとか、あの辺りの勘違い系ギャグですね。

あまりにも欲望が丸写しになると恥ずかしい、と感じてしまうモダンのような読者にとっては主人公のアンデッド特性は凄いアイデアだと思います。

丸山くがね先生がログホラのリプレイで老人を演じているのも照れ隠しなのかな・・・と勘ぐったりして。

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伏線とほのめかし

これはホントに上手い!設定・世界観とも関係しているのですが、主人公以外の描写が充実しているせいで様々な思惑が絡み合っていて、全貌を把握したい欲望が刺激されます。

そしてあえて、地の文で描写せずに読者に読み取らせるような書き方をしていますから、ホントにハマります。

ここでパンドラズアクターに入れ替わったアインズが・・・とか、いちいち説明しないんです。

処刑されましたとか、断言しません。

オバロでは厳密な三人称ではなくて、状況に応じて視点が変わるのです。

小説のルール違反!なんていう人がいるかもしれませんが、教科書なんて面白さの前には無力!

どこで読んだか出典不明ですが、上手い小説家はルール破りをしている、と看破したエッセイストがいましたし、丸山先生もその仲間と言えるかもしれません。

なんというか、丸山先生の頭の中に映像があってそれを描写している感じですね。

だから読者がそれぞれのイメージを想起しやすい。

TRPGについて

ファンタジー系の古典では無く、ライトノベルのレーベルから出版されたファンタジーというと、おそらくロードス島戦記が草分けと言えるのではないでしょうか?

この辺りはいくらでも厳密に語る事が出来る人がいるのでモダンごときが書くのが怖いですが、少なくとも、モダンの角川のスニーカー文庫のロードス島戦記から入って、スレイヤーズとかフォーチュンクエストとか風の大陸とかを読みつつ、ドラゴンランス戦記とかパーンの竜騎士とか、エルリックサーガ等の翻訳ものを読んでいました。

※その後でSFにハマるのですが・・・。

それと同時に、TRPGにも触れました。

モダンはソードワールドよりもバトルテックの方を良く遊んだのですが、それでもサイコロを転がしながらみんなで「場」を作っていく雰囲気はよく覚えています。

未経験者やイメージがわかない人はTRPGのリプレイを読む事をオススメします。

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TRPGについては詳しく触れませんが、ようは紙とサイコロを使って、言葉でやり取りをしながら冒険をするのです。

テレビゲームのPRGと大きく違うのは情報の解釈の幅が圧倒的に広い点です。

例えばテレビゲームのRPGで遊んでいて、次のエリアに行くための道が岩でふさがれていたとします。

ゲーム的にはこの岩を壊すために、爆弾を手に入れるというイベントのフラグが立つので、街の人に話しかけて爆弾を手に入れるイベントをするめる事になります。

ところがTRPGの場合だと、道が岩でふさがれているから通れない、とGMが発言したら、プレイヤーはその岩の大きさはどれくらいだとか、ごつごつしているのかとか、隙間はないのかとか、周囲はどうなっているのか等、様々な側面から情報を問いかけます。

そして爆破しなくても梯子とロープで十分と判断したら、爆弾など手に入れずに日用品で岩を乗り越えることになるでしょう。

だって実際に自分がその状況になったら、当然のように確認することですから。

どうしてもテレビゲームの場合はコンピュータプログラムのアルゴリズムに沿って、イベントを消化する事で物語を進めていく必要がありますが、TRPGは臨機応変なのです。

この突っ込みに対して十分な準備をしておく事が場を持たせるGMの役割となります。

GMが持って行きたい方向に話を進めようとしたけど、物語の必然性がスカスカで全然プレイヤーが乗ってこないとか、普通はキャンペーン失敗ですし、しかたないなぁ・・的キャンペーンになってしまいます。

オバロの作品全編からは、こういったTPRGのGMめいた非常にアナログで用意周到な思考を感じます。

それは技術ロール的な描写だけでは無く、物語の設定と必然性においてという意味です。

つまり突っ込みどころが無いので凄く自然に読めるし、作品世界に没入出来るのです。

かつてのTPRGクラスタの人はもちろん、無心にラノベを読めなくなってしまったかつてのラノベ読者にとっても、非常に心地よいと思います。

ライトノベルを卒業してしまった人達が読むライト文芸ですね。

オバロを語りたくなる理由

これは設定の全容が明らかにされていない事や、描写のトリックのせいで他の人の読み方を知りたい!という欲求が刺激されるせいではないかと思います。

最終的で究極の謎はどうして異世界転移したのか?元の鈴木悟はどうなったのか?という点ですがこれはサッパリ情報不足で、このネタだけでも何度となく話題がループしています。

他には最強談義やキャラクター萌えもありますね。

また、物語展開についてもみんな意見が違います。

ある程度世界観が提示されたので、今度はどんな展開が見たいか?という点で、意見が分かれているのです。

次はドワーフの国ですが、個人的には竜王国を舞台にして欲しかったですし、ナザリックVSビーストマンや皇帝ジルクニフが苦しんでいるのをニヤニヤ見ながらいじめるのも楽しそう。

登場人物と、その人物の情報が充実しているので読者の中でも先の展開についてイメージがしやすいのです。

だから話題になりやすいのだと思います。

今後の展開について

作者がTPPGクラスタの人だという事もあって、もしかしたら作品世界を共有する形にするのかな・・・とも思います。

ロードス島やアレクラスト大陸を内包するフォーセリアみたいな感じです。

その中の歴史の一幕が魔導王アインズの物語なのかもしれません。

アインズの物語がひと段落したら、その歴史を踏まえながら、いくらでも物語を生み出すことが出来るでしょう。

年表ですね!

追記

ところで永野護先生曰く、将来的にはファイブスター物語も世界観を共有する考えがある、との事でしたが、オバロと違って設定があってないようなものですから、非常に困難でしょう。

やっぱりカッチリしたルールが無いと作品世界の共有は難しいと思います。

コメント

  1. 通りすがりのニート より:

    オバロは原作が凄く面白いんですけど、マッドハウスのスタッフはどうも女性キャラやギャグ回の方に力を入れて、戦闘シーンや重要なイベントでは手を抜いている気がするんですよね
    欧米でもオバロはアニメよりも原作本が売れているらしいです
    向こうの人からは「日本人で面白いダークファンタジーを作れる小説家が居るのか」と言われています
    ベルセルクや鋼の錬金術師など、漫画では日本のダークファンタジーは認められているんですけどね
    先ほど3期を見ましたけどアルベド萌えの人がスタッフに居るのか、やけに気合が入っていました
    なんか日本のアニメ会社に多いのはエロいシーンにはスゴイ作画なんですけど、肝心のモモンVSヤルダバオト戦では手を抜くことがあって正直ガッカリです
    でも今期のオバロも全部見ると思います

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