アマゾンプライムビデオでもニコニコ動画でも配信されているグリムガルですが、
遅まきながらチェックしました。コレ・・・無茶苦茶面白じゃないか!
正直、アニメ化が決まった時に全巻をチェックして地味な印象を受けたのですが、
アニメになって絵と声が付いたら全く印象が変わりました。
背景の美術ボードは童話風というか絵本風で、キャラクターの演技は無茶苦茶細やか。
丁寧としか言いようがないです。
アクションの時だけ作画パワーを使って・・・というタイプでは無くて、
細かいところの演出や動きが凄いです。
高校生辺りがだらだらつるんでる空気感の表現がもの凄い!
ガンダムの冨野作品もカットごとにキャラクターが同時に複数の動作をしていましたが、
グリムガルもそんな印象を受けました。
まだ1話しかチェックしていませんが、密度は今季最強かもしれません。
ランタが1発で鞘から剣を抜けずに、やり直すとか、
弓からナイフに持ち帰るときの慌てた無駄な動きを超凄い作画で見せるとか、
モグゾーの大剣が幹に食い込んで抜けなくなって踏ん張るとか、もう唖然です。
この作りの丁寧さ、予算もかなり潤沢なのでは?
いわゆる異世界転生、なろう系の作品の中でもログホラに次ぐ予算規模のような気がします。
・・・オバロは残念予算だったなぁ。2期に期待しよ。
ネタバレとモダン的希望
ここからは今後のネタバレを含みますので注意。
個人的には転生(?)直後の説明の後、
レイジがメンバーを引き抜いてグループを作ったシーンが欲しかったですね。
明らかに不良気質のレイジが同期の中で出来る奴だけを引き抜いてチームをつくり、
積極性に欠けるハルヒロ達は余りもの同士でチームを作ります。
そういった積極性というか状況認識の甘さの演出があると、
今後マナトやモグゾーが死んでしまった時の取り返しのつかなさが大きくなるような気がします。
また、裏展開としてハルヒロたちの次に来たキサラギ達も見せてほしいです(笑)
これは大英雄が無職で何が悪い、の主人公です。
灰と幻想のグリムガルと世界が共通で、時代もほぼ一緒です。
アニメ1話ではハルヒロたちは転生後、ギルドに所属して盗賊とか、
神官などの職業を得ましたが、キサラギはそんなことしません(笑)
無職のままでパーティを組んで大冒険をします。
しかも話のスケール的には圧倒的にキサラギ達の方がデカいです。
おそらくグリムガルから大英雄を読んだ人は同じ作者が書いたと思えない、
何だこれは!と驚愕すると思います。
アマゾンレビューで星1つの酷評が付くくらいの展開ですから、
グリムガル的な、というか従来の十文字作品みたいな積み重ねの細やかさは
全く期待できませんが、それが痛快で面白い!
大体、グリムガルで銃を作るとか、片腕を失うとか、
異種族をパーティに入れるとか、けた違いすぎです。
ゴブリン1匹に苦戦するハルヒロたちと良くも悪くも対照的なので、
読者を選ぶ作品かもしれませんが、
グリムガルの裏ストーリーとして合わせて読む分には好きな作品です。
アニメから入って原作を全部読んだら、こっちを読むのもおすすめです。
ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ
これは名作ダンジョン攻略RPG、ウィザードリィの復活時のメッセージですね。
このメッセージの後、復活に失敗するとキャラクターが灰になって、
蘇生不能になります。
ダンジョンアタックという意味でウィザードリィを意識している部分だと思いますが、
グリムガル世界にはもちろんカント寺院はありませんし、
死者蘇生のエピソードもありません。
死んだらそのままなのがウィザードリィよりもハードなところです。
どうしてこの世界に来たのかなど、詳しい謎は原作でもさっぱり語られていません。
アニメでも語られる事は無いでしょう。
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