ファイブスター物語LITTER.Pictの感想!ファンなら買うよねw

リッターピクト ファイブスター物語

ようやくまとまった時間がとれたので、コーヒーを飲みながらゆっくり読みました。
デザインも素晴らしいですが、モダン的には色々な謎が解けたのが良かったですね。

デザインズ5という事で、設定資料集をほぼ全て網羅しているモダンは勿論購入。
今回は既存デザインの再録も多いですが、
全体的に改変された設定を丁寧に掘り下げている感じ。

FSSの面白いところは、架空の世界なのに特殊な世界の人達に
臨場感のある設定を付ける事です。

メカや軍装の説明はともかく、
どんな下着を付けているとか、ポーチの中身とか、
学生の頃はこんな奴だったとか。

設定資料の形で公開されますけど、
情報を入れて本編を読むとムチャクチャ厚みが増しますね。

さて、ここからはあくまでも個人的な感想ですけど、
一番衝撃というか、予想を裏切ってしまったのがAD世紀から星団歴への移り変わり。

LITTER.Pict(リッターピクト)の冒頭で超帝国・ユニオ絡みの説明があるのですが、
ここでAD世紀から星団歴に至るまでの経緯がざっと説明されています。

モナークセイクリッド

13巻収録分の連載でもっとも衝撃を受けたのが、
炎の女皇帝がクラウン銀河の中心で結晶化した人類を見るシーン。

連載時には、ひょっとしたら人類は全て滅んでいて、
星団歴とAD世紀の間に他次元絡みの大イベントがあったのではないか?

例えば既にサタンによって星団歴の前に旧人類は滅んでいて、
クラウン銀河の中心にあったモナークセイクリッドは人類の墓標。

それを防ぐために炎の女皇帝は騎士やMH、
バスターランチャーの技術を星団にばらまき、
星団歴(未来)の戦いで人類がサタンに勝つことで過去を改変する、
という流れかと思ったのです。

つまり、未来に人類滅亡の原因があるのでは?と物凄くワクワクしたわけです。

と・こ・ろ・が、
LITTER.Pictではサラッとこんな感じで説明しています。

AD世紀に科学技術の発展が極まった。
ユニオというユビキタスコンピュータが人類を全て管理した結果、
個々人が可能性を信じる事が出来なくなり、閉塞感が極限状態になった結果、
遂に人類は自分たちをデータ化して消え去ろう、という鬱状態に。

その閉塞状態を打破する為に人工統制システムユニオはユニオ2を作ります。
このユニオ2が、炎の女皇帝です。
※以下、炎

炎は人類以上の存在、騎士を生み出す事で昆虫型の社会構造を作り、
閉塞感に満ちた人類社会を蹂躙します。

この時に使われたのがGTA(MH)やら超帝国騎士、
バスターランチャーの類だと思われます。

当然の結果として、
炎が生み出した超人類が既存の人類を支配する極端な階級社会が生まれますが、
代償として高度に管理された旧社会は破壊され、
人類は先の見えない毎日を生きる事になります。

これが希望の正体です。

その後、炎は階級化した人類世界を再度フラット化する為、
超帝国の因子を全人類にばらまき、自分たちは星団を去ります。

※この時残った超帝国の一部がシオの番人でしょう。

これが騎士やダイバーが平民からも生まれる理由です。

そしてフラット化した人類があちこちで戦争したり、ゴチャゴチャしているのが、
今のジョーカー宇宙という訳です。

つまり、AD世紀ラストに高度管理社会=デストピアが訪れ、
マザーコンピュータをグレートリセットする為に人類社会を一度破壊したという歴史。

そういえばファイブスター物語の以前の作品、フールフォーザシティでも、
巨大コンピュータ、ドウターが登場しますし、
最後に(地球人の方の)ログナーはドウターから意思を奪って超管理社会を破壊してしまいます。

その後、ログナーが目覚めたラキシスと出会って宇宙に飛ばすのが、
ファイブスター物語の年表となっています。

一体何時になったら書かれるのか不明ですけど・・・。

こんな具合に一度はロックンロールすら奪われる管理社会を脱した人類ですが、
その後は更に巨大かつ、中心の無いユビキタスコンピュータによって
管理されてしまうようですね。

なんというか、モナークセイクリッドについてはもっと謎めいた存在かと
思っていましたから微妙に残念です。

ただ、クラウン銀河の中心は時間が無い場所・・ということで、
炎はモナークセイクリッドで未来に作られたフォーカスライトと出会っていますから、
やはり因果は未来から過去に飛んでいるのかも?

あるいはユニオ1の方針を貫いた結果、人類はこうなってしまうよ、という
別の時間軸の未来を見た炎がGTMや騎士を作ってグレートリセットを掛けたのか?

未来の無い情報だけの人類として朽ちないモニュメントのように永遠に存在するより、
幸福も不幸も戦争も絶滅の危険すらあるゴチャゴチャした人類として存在していたい、
先が見えない事が希望だって事かなぁ。

この辺は本編で補完してくれるとファンとして嬉しいですね。

ログナーの謎

これは前々からずっと謎なのですが、LITTER.Pictで新たな情報が追加されたので、
ちょっと仮説を立ててみました。今分かっている事はこのぐらいでしょうか?

  • ログナーはFSS世界に登場する人型の存在としては最強
  • ログナーはドウターチップにより情報を引き継いだ状態で復活出来る
  • ログナーは超帝国時代にも存在し、超帝国騎士団の実質的な指揮官だった
  • ログナーは超帝国騎士団の指揮官だが炎が作った超帝国剣聖ではない
  • デザインズ5にあるログナーは今のログナー(子供状態)の先代である
  • ログナーは炎の元にモナークセイクリッドが送り込んだ存在である
  • ログナーは物語の最後までアマテラスに付き合う
  • ログナーの記憶はモナークが継承している
  • ログナー=カラミティ・ゴーダース王
  • ログナーは魔王タンツミンレとの戦いで炎をかばって死亡した事がある?

んー、訳が分からなくなってきたぞ。

確かFSS3巻位の頃は、
母親がログナーが胎児の頃にドウターチップを使ったから、
記憶と経験を引き継いで復活できる騎士となった設定のはずだし、
その後のナッカンドラ・スバースのエピソードで、
天照家の先祖が炎からドウターチップを受け取るシーンもあった。

つまり、ドウターチップを使うにはログナーは星団歴の生まれで無いとおかしい。

しかし、超帝国時代にも存在していたというのがデザインズ5での最新設定だし、
それどころか今のログナーの前って事はボスやんの冷凍攻撃を受けたログナーってことでしょ?
どうして超帝国時代に存在しているのか。

しかもモナークセイクリッドが送り込んだ騎士って・・・・。

更に更にボオス星の神話のカラミティゴーダース王であり、
魔王とも戦っている。

どれだけ物語のチョークポイントを抑えているのか、と。
ムチャクチャ重要人物ですよ。

やっぱり過去から未来へ一方方向へ流れていく時間の経過を
追うだけでは矛盾が生じてしまいますね。

モナークセイクリッドという時間の流れが無い、
ある意味チートな場所で全ての時代が同時に繋がっていると思われます。

ひょっとして星団歴の技術ならモナークセイクリッドに到達する事自体は難しく無い?

グリーン・ネイパーが250年も籠っていた「時の止まる空間」ファンタスマゴリアって、
モナークセイクリッドの事?

だとしたら、その場所を通じてあちこちの時代に移動できそう。

つまり神話の戦いはこれから起きるサタンVSミラージュ騎士団&炎の女皇帝&ドラゴンの事で、これが時間を1週ループしてボオスの神話となったとか?

後は、オリジナルのログナーは星団歴の生まれだけど、
モナークセイクリッドを通じて超帝国時代にも行っていたとか?

何というか、こうして羅列してみると、彼がマジで人類なのかすら怪しく感じる。
ひょっとしたら天照とかジョーカーとか、あの辺りの神様かも?

マキシも神様世界に存在しているし、そうであってもおかしくない。

こんな具合に今回の設定資料集はデザインはもちろん、
色々と年表のイベントの流れについて妄想が膨らむ内容でした。

永野 護
KADOKAWA/角川書店 2016-02-22
¥ 3,024

まだ入手していないファンの人にはおすすめですよ。

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