マルドゥック・アノニマス1巻の感想について!ネタバレとあらすじ

マルドゥックアノニマス 小説

遂にマルドゥックシリーズの最新作が発表されました。単行本派なので前情報は一切チェックしていませんでしたがホントに重いです。重すぎる!

元々マルドゥック・スクランブルの頃からテーマが重厚な作風でしたが、巻数を重ねるごとに救われ無さが増していって最後はウフコックが死ぬ話ですか、ホントにキッツい。

マルドゥック・スクランブルはまだバロットとウフコックのバディものとして見れたし、何よりイースター博士をはじめとするアシュレイやベル・ウイングなど、脇を固めるキャラクターが基本的に善人で大人だったので少女の成長ものとして安心して読めました。

乗り越えるべき過去は厳しくても分かりやすかったし。

しかし、その次のヴェロシティではボイルドが破滅に向かって突っ走っていきますし、登場キャラの狂人っぷりはホントに救いが無い。

陽性で頼れるナイスガイなボイルドの同僚達が次々とカトル・カールに殺されていくのは読んでいて負の興奮がありましたし、クリストファーがむごい最後を迎えたり、何よりカトル・カール達がボイルドの誤爆(実は仕組まれたもの)によって生み出されたという因果も救いがないです。

シリーズを通して良かったのはイースターが成長した事くらいではないでしょうか?

で、本作アノニマスではバロットは冒頭でほんの少し登場しただけだし、ウフコックの新しいパートナーのロックはいきなり死亡!しかもターンしたウフコックが発射した弾丸が止めになるという最悪の事態。

ウフコックはボイルドに続いて2人目のパートナーを殺すハメになったというわけです。

マルドゥック・アノニマスでは禁じられた技術であるはずのエンハンス技術が濫用されて、新しい超人が生まれていますし、ウフコックは敵の情報を取るために様々なものにターンして潜入調査をするので、ひたすら悪行を見るハメになります。

これまではウフコックとバロット、ウフコックとボイルドというコンビでこれまで物語が進んできましたけど、今回はウフコック1匹で、しかも凶行を目の前にして傍観者の立場を貫かなくてはいけません。

二巻以降は更に悪の本丸に近づく地獄巡り確定です。

マルドゥック・フラグメンツではガス室のウフコックの元へバロットが現れるという究極最後のシーン直前が描かれていますが、その中で様々な登場人物について注意がされています。

アノニマス1巻を読んだ後だと物凄く気になることばかりですから、再読をおすすめします。

都市の暗部を覗く事でボイルドが変わってしまった事・・・シザーズの件を初めとするあらゆる悪行が明かされるのでしょう。おそらくヴェロシティ以上の人格破綻者や異常者が続々と登場する事でしょうね。

特に3博士の一人で脳死状態のサラノイ・ウェンディを使って胎児の時点から人体改造を施されて生まれたウェンディ・エンジェルズなどは設定からして狂ってます。もう絶対マトモじゃないよ!

2巻がいつになるのかさっぱり分かりませんが、この物語は絶対に急かしてはいけないタイプの物語だと思います。来年にでも出版されたら良いのではないでしょうか?

それにやはりラスト直前のテスタメント・シュピーゲルもいったいどうなってしまうのか?

どちらも社会構造と一体化した悪とか、倫理について描いた作品だと思うので、物凄く気になりますね。
シュピーゲルのシリーズがラノベのレーベルから出ている事が信じられない。

こんな具合で冲方さんの作品は読むと疲れるのですが、最後まで読むときちんと結末を迎えますし、凄いカタルシスを与えてくれるので大好きです。

加えて角川新書の偶然を生きるも一緒に読了しましたが、物語について真剣に取り組む姿勢にはホントに頭が下がります。

冒頭に解説される経験の4分類については度々言及されるので、よく理解をして読み進めないと意味が分かりづらくなりますから注意ですよ。こっちもおすすめです。

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