ジョーカーゲームに関しては原作既読なので、アニメがどんな感じになるか結構気にしていたのですが、心配無用のクオリティでした。やっぱりプロフェッショナルものは面白い!
ジョーカーゲームを始めて読んだのは原作1巻が発売されて直ぐでした。
もう5年も前なんですね(汗)
何しろ表紙絵が北神奇譚とか木島日記の森夏美さんでしたから、また伝奇小説の名作が読めるに違いない!って感じでワクワクして手に取った覚えがあります。
もちろんジョーカーゲームは山人とか、柳田国男をモチーフにした伝奇小説ではなくて、スパイ小説なのでアテは外れましたが、内容としてはD機関が陸軍中野学校をモチーフとしていて、かなり楽しく読めました。
因みにアニメが始まる前は映画化されていたので気になって見に行きましたが、これはちょっと邦画の悪いところが全部出ていてかなりキツかったですね。
クサい演技に変なカット割、騙し合いとか言いながらまったく意外性の無いサスペンス(笑)
ただのコスプレ演劇に見えてしまって、ブログ書こうと思いながらも気力が出なかったくらい。
モダンの脳内では森夏美さんの絵とかカット割りで物語が再生されていたので、落差が激しかったです。
戦前のスパイ映画なんてロマンてんこ盛りの題材なのにこの料理はないわ~。
その後映画の事は忘却したのですが、続報であの攻殻機動隊のプロダクションIGがアニメ化するというので心の隅に留めておき、先日ニコニコ動画で1話を見たわけです。
面白かった!
アニメ版について
やっぱりスパイ小説とかサスペンスは演出を振りきならないとダメだと思うのです。
アニメみたいな演劇をベースとしたセリフ長回しをしてもおかしくない演出か、アメリカ映画とかアメリカンドラマみたいなカット割りを細かくして「演説」をさせない演出か、あるいは古いフランス映画みたいに映画のトーンとかテンションが暗め・低めに演出されているか。
どっちかつかずはアウト。
何しろ原作は独白とか長台詞多いですから、そのまま映画にしたら時間感覚が変になってしまう。
おそらく、邦画の演出に違和感を感じるのは小説媒体(原作)でのせりふ回しをそのまま映画のセリフにしているから、視聴者の体感時間とズレるんだと思うのです。
これを原作通りですっていうのはおかしい。
ぶっちゃけ不自然!
だいたい、小説の長セリフってモダンの感覚だと地の文と一体化して読んでいるので、長々喋るシーンに違和感がないわけで、これは小説メディアだから出来る演出だと思うのです。
生身の人間はそれだけで情報量が多いから、小説の情報量を同じように喋らせると違和感が凄い。
映画における地の文はモノローグか、あるいはカット割りとか演技にあたると思うのです。
で、アニメの方は視聴者が無意識の内にアニメの作法にしたがってる事が大きいと思う。
やはりアニメ絵だから長台詞にしても芝居がかった演出にしてもアニメ視聴のフォーマットに準じているので違和感を感じない・・・のではないか?
感覚的に作品を楽しんでいる人には無用の考えだとは思いますが、なんで実写化作品は地雷ばかりでアニメは面白いのかと、色々と考えてみました。
みんなが言うような予算の問題では無い気がするのです。
そしてやっぱりプロフェッショナルものは見ていて面白い!
未熟な主人公がいちいち悩むのはダルい。
よっぽど上手く描いてくれないとモダンのような古参オタクとしては離脱したくなります。
年齢的にも中堅社会人になっているから色々経験していて、作者よりも世知が付いているから、その作為があからさまに見えてしまってで興ざめなんです。
だから自分を超越するプロの世界でないと楽しみづらい。
そこで完全にプロだけの世界を描くと意味不明になってしまうから、純粋まっすぐな陸軍軍人佐久間中尉が狂言回しとして上手く機能しているわけです。
スパイ世界の素人がいるからプロの凄さが際立つ!
最強モノ作品の傑作、オーバーロードでも脇役が映えるから守護者や主人公がいっそう魅力的に見えるのです。(10巻発売日まであと1か月ちょっと!)
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