だんだんと物語の構造が分かってきました。はっきり言って、
こんなに映像作品の文法を崩して許されるのは富野監督くらいでしょう。
5話はとにかくせわしない。戦争中の戦艦であっちこっちの部署が、
声を掛け合いながら作戦を遂行しています。
そしてやたらとベルリ君が質問しまくる。
それでもちゃんと回答してくれる人は居なくて、
視聴者(ベルリ)は答えを知っている人たち同士の会話から推測する形で
情報を集めます。
分かった事はこんな感じ。
スコード教がトワサンガという聖地(?)でエネルギーを一元管理し、
世界中に配給している。
スコード教の信者やキャピタルガードはトワサンガを単なる聖地だと信じている。
人類が滅亡しかけた経験からスコード教は教義として技術の発達を阻害している。
でも、実はスコード教がエネルギーの配給をつかさどる事で世界を支配していて、
そのせいで、アメリアとゴンドワンの戦争の原因となった。
アメリアの軍隊は宇宙海賊に擬装してこの支配構造を打破しようとしている。
トワサンガは聖地とされているが、実は表向き禁じられた技術を活用し、
Gセルフを建造した。
Gセルフにはパイロット認証機能があり、何か特別な秘密を抱えている。
ラライアはそのGセルフを持ってトワサンガを出奔したが、
酸素欠乏症で幼児へ退行してしまっている。
※ラライアが記憶を取り戻せば、物語の謎がほとんど全て解けると思う。
宇宙と地球を結ぶ物資輸送用軌道エレベータの貨車であるクラウンを警備する
キャピタルガードとは別に戦争可能な軍隊、キャピタルアーミーを作り出そうとする
動きがある。
ヘルメスの薔薇という禁止技術を復活させるつもりらしい。
長官はキャピタルアーミーの強化の為、キャピタルガードから人員を引き抜きクラウンを
迷彩塗装して戦争色を強く打ち出している。
表向きの理由は運行長官の息子であるベルリ君を救出するため。
当然ベルリ君の母親は息子が利用された事を悟り、この状況を苦々しく思っている。
自作自演でキャピタルアーミーを強化するため、3話でベルリ君がGセルフと一緒に
逃げ出すのを見逃したと思われる。
凄いぞ、富野監督。
ナレーション無し、かみ合わない会話の断片と状況の描写でここまで推測させるなんて。
そして5話はこんな感じ。
あらすじとネタバレ
ひたすら戦争のせわしなさを描写すると同時にマスクの新キャラが登場。
彼は何者だ?
新型の可変型モビルスーツを駆ってメガファウナを襲撃しますが、
クリム・ニックとベルリの働きで撃退されます。
体のあちこちにビーム砲が付いていて、サイコガンダムみたいな奴だと思いました。
この機体がジャハナム?
パイロットの方は強化人間っぽい挙動はなかったので生身だと思います。
そして、予定が早まった事で整備中のGセルフを出撃させるまでにてんてこ舞い(笑)
コアファイターが上手く制御できずかなり不自由な感じです。
結局はちゃんと戦う事が出来たのですが問題はその後。
艦長に諭されてアイーダがベルリにメガファウナを守ってくれた事を労うのです。
指導者の責務として、感情的に許せない相手の事も褒めてみせる必要がある、という事を
キッチリ描写します。
でも、その後1人で泣き崩れてしまいます。
アイーダがカーヒルの死を引きずっている事がよく分かりますね。
Gレコは生きるのに忙しく、死については乾いた描写をしているので、
ここでキッチリアイーダの内在的論理を確認しています。
6話では大変な事が起こるみたいですけど・・・・さてさて!
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