遂に作品の大転機がやってきました。原作エピソードを知っていて、
この展開が来る事が分かっているのに引き込まれますね!
いきなりネタバレしてしまいますが、
遂に、母親が殺されて、新一自身も重症を負います。
このエピソードで更にミギーとの一体化が進み、
超人的な肉体能力を持つようになるのです。
同時にこれまでの守るべき日常を喪失した事で一皮剥けて、
パラサイトと人間の抗争に深く関わっていきます。
この5話は本作の最重要エピソードの1つなのです。
そう思うと、喧嘩でろくすっぽ手も出せず、
一方的にボコられていた新一君を見るのも最後ですね。
ミギーの強さセンサーについて
劇中、ちょっと気になったセリフがあって異論を唱えたいのですが、下の彼、光夫君。
信一君の戦闘力を10とすると18だそうです。
2倍近くも戦力が違うってちょっと信じがたいですね。
筋力や俊敏さだって2割も違わないと思いますよ。
生物としての強さが分かるみたいな事をミギーが言っていましたが、
喧嘩で重要なのはどこまでやってもいいか、について
自分の中でOKがあるのか、ないかです。
単に信一君が躊躇して手を出さなかったから、一方的にボコられたわけで
技術は無くても「絶対にぶっ殺してやる!」と思っていたら喧嘩はかなりもつれた筈。
それに、群れで少数を襲うという行動パターンも、
別に上の彼たちを狩りに来たのではなくヤキ入れに来ただけで
命を取ろうとしたわけではありません。
今回の1件は生存の為の殺しではなくて、
生存に関係ない自尊心をかけた無駄なじゃれあいなのです。
まあ、光夫君にしてみれば一方的に加奈ちゃんという生殖相手をめぐる生存競争に
感じているのかもしれませんけどね(笑)
これを人間世界ではジェラシーといいます。
そう考えるとミギーの強さセンサーは、かなり当てにならないと言えます。
戦力的に優位を確信した魔王が「人間の強さ」に負けた~という
アリガチな展開を生みやすい状況判断ではないでしょうか。
そもそも、自己犠牲を理解できない時点で個体としては強くても、
種族としては脆弱です。
この辺りの知性の方向のずれについては後々、作中で触れられる事でしょう。
タブステップについて
コレ、結構あちこちで触れられていたのですが、モダンも思うところがあります。
タブステップとは劇中、シーンごとに細切れにした音楽が背景で流れる事です。
タブステップが流れる事で緊迫感が増したり、より愉快になったりと場を盛り上げます。
今回問題になったのはラスト。
このシーンのタブステップがやたらと感情盛り上げ型で、
緊迫感の代わりにセンチメンタルな演出をした事。
既に母親が頭を切り落とされ、体を乗っ取られている事を知りながらも
攻撃できず、むざむざ刺し貫かれてしまいます。
勿論、演出の意図としてはこれからどうなる?という
サスペンス・ホラー的な要素よりも、新一の心情に寄り添ったのだと
理解できます。
しかし、今回のタブステップは展開を先読みしすぎていて、
ああ絶対これは湿っぽくなるな、と読めてしまうのです。
原作既読者は納得できますが、初見の人からしてみれば興ざめなのでしょうね。
この手法がいいとか、悪いとかは判断つきかねますが、
音楽の重要性を再確認するいい例だと思います。
さて、次回はどこまで進むかな!
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