安定の面白さのシリーズです。特典BD付きで購入する価値はありますよ。
うーん、ラストに思わせぶりな1文を突っ込んできましたね~。12巻も楽しみです。
11巻のエピソードは特に大きなどんでん返しはありません。
順当に事が進んだ、という感じです。
これまでは物語の展開自体にギミックがある作風でしたから、ちょっと意外といえば意外ですね。
しかし、つまらないのかと言ったらそんなことはありません。
むしろシャルティアとアウラの女の友情、というか姉妹愛的な描写が充実していて、情緒的な印象が強いです。
それに必死でメモを取るシャルティアをみると仕事を覚えるのに必死な新入社員を思い出します。
TRPGクラスタの作家の場合は物語の構成とか設定は強いけれども、心理描写は結構あっさりしている人が多いですから丸山くがねさんは筆力もあるといえるでしょう。
学生の頃にロードス島戦記を読んでいた人がハマる感じです(笑)
さて、ネタバレ込みであらすじはこんな感じです。
ネタバレ込みのあらすじ
一読しての記事ですから間違いはご容赦下さい。
- アインズ、ゼンベルから聞き取りをしてドワーフの都市へ行くことを決定。
- また、ザリュースとクルシュの間にアルピノの子供が生まれる。
- 同行者はアウラ、シャルティアに道案内としてゼンベル。
- シャルティアを連れていくのは様々な経験を積ませて成長させるため、アウラはフォロー。
- かつてゼンベルが滞在した都市フェオ・ライゾに到着するが廃墟。
- 廃墟で一人掘削をしているドワーフ、ゴンドと接触する。
- ゴンドの目的はルーン技術の復興。
- ルーン工匠として優れた父親を持つゴンゾにはルーン技術はコストや技術力の面で時代遅れとなっていて滅亡寸前になっている事が耐えられない。
- 父の名前を歴史に消したくないという思いにアインズが共感、ゴンゾに協力を申し出る。
- ドワーフの中でも変わり者として理解されなかったゴンゾはアインズの手を取り、ルーン工匠をまとめて魔導国へ移住させる手伝いをする事になる。
- フェオ・ライゾが廃墟となったのは敵対種族であるクアゴアの侵攻によるもので、現在も戦争中。
- 劣勢のドワーフが国を維持できているのはアクセスポイントが吊り橋に限られているという地理的なもの。
- フェオ・ライゾへクアゴアの侵攻部隊(の別動隊)が到着。
- シャルティアがすべてのクアゴアを生かしたまま捕縛、尋問。
- ドワーフの首都フェオ・ジュラの吊り橋を迂回する路が見つかった為、クアゴアの大部隊が攻略を開始している事が判明。
- ここぞとばかりに恩を売る事を計画するアインズ。
- まずはクアゴアの侵攻で陥落寸前の砦に到着し、デスナイトで一蹴。
- 砦の司令官の紹介を得てドワーフの首都へ到着し、摂政会と接触。
- クアゴアの侵攻を防いだら国交を樹立し、ドワーフのルーン工匠を全て魔導国に移住させることを承諾させる。
- また、45レベル相当の金属インゴットを渡してザリュースの鎧制作を依頼。
- ただし、ドワーフ1の工匠である鍛冶工房長の手にかかっても、一切の加工を受け付けない。ショックを受ける鍛冶工房長。
- 酒で工匠達を集めてユグドラシルのルーン武器の外装を見せる事で奮起させて心をつかむ。
- ドワーフの旧首都を占拠しているクアゴアはフロストドラゴンに財宝を貢ぐことで戦力としている。
- クアゴアの現在の氏族王ペ・リユロは過去最高の英雄であるがドラゴンにはかなわない。
- アインズ、フロストドラゴンと初対面。
- 部屋に閉じこもって読書をする肥満体系のフロストドラゴン、ヘジンマールはアインズを見た瞬間に危険を感じて服従。
- 父竜は抵抗した結果、心臓掌握で即死。
- 他の竜も1頭を除き、アインズに服従。
- フロストドラゴンを服従させたアインズはゴンドとともにドワーフの宝物庫のカギを開けてアイテムやルーンの秘伝書を失敬する
- クアゴアを任されたアウラとシャルティア、服従を要求するがリユロは曖昧な回答。
- リユロの反応を非服従と受け取った二人、山河社稷図の中で戦闘し、8万のクアゴアを1万まで減らしてしまう。
- ドワーフの摂政会に首都奪還を報告。
- また、鎧制作を請け負った鍛冶工房長がインゴットを持って失踪した事を知らされる(伏線か?)。
- ルーン工匠を招聘する事を知らしめる宴会を開く。
- デミウルゴス、フェオ・ジュラへ到着、アインズと会談。
- どうやら聖王国の仕込みが済んだらしい。
- エピローグはカルネ村。
- 時間軸的にはアインズと出会って1年後、ドワーフのルーン工匠が移り住んで半年後。
- エンリとンフィーリアは結ばれて、村は発展を遂げている。
- そこへルプスレギナがやってきて、アインズが戦争に敗れて死んだと告げる。
- えー!!とエンリが驚いて11巻は終了。
幕間を除けばこんな感じでしょうか?
感想と伏線について
最後の最後に死ぬほど強引な引きを持ってきましたね。
でも、村を警備するデスナイトがおかしくなっていない事やルプスレギナが平然としている事から、なんらかの理由があってアインズが死を偽装している事は間違いありません。
また、11巻冒頭でパンドラズアクターが作り出したアンデッドはアインズに変身していないと案山子になる、と断言されていますから、製造されたアンデッドは作成者が不在となると停止するのでしょう。
しかも巻末の12巻予告は下記のとおりですから、聖王国取り込みの一環かと思われます。
聖王国が魔王によって蹂躙され、阿鼻叫喚の地獄が地上に現れる。耐え難い苦痛にのたうつ民たちの、救いを求める声は、成長著しい魔導国へ。
アインズ・ウール・ゴウンVSヤルダバオト。
勝利はどちら?激闘の第12巻。
もう、予告だけで6巻をしのぐマッチポンプっぷりが清々しい!!
どういう取り込み工作があって、どうして死を装う必要があったのか、という点も色々と妄想が捗ります。
それとさらっと書いてありましたが、作品世界が魔法的常識で成り立っているという事が地の文で明言されました。
これで転移した先が遠未来の地球だとか、太古の地球だとか、よその惑星といった展開は無くなりました。
これまでは通常の物理世界に魔法が入ってきた、という可能性がありましたが、世界そのものの原理が違うわけです。
アニメ版でフライで飛んだ時に見えた地平が円かったので、この世界も球体なのだな、とは思いましたがそれも含めて魔法的常識の次元なのでしょう。
大亀の上の象が支えていている皿状世界でもおかしくなかったけど(笑)
転移の原因については一切の情報がありませんが、今後もヒントは小出しにするされるかもしれません。
ちなみに幕間はエルフ王国。
- 強大な力を持つエルフ王は自分の自分の子供を産ませることで強力なエルフの軍団を作ろうとしている。
- かつてエルフ王が法国の切り札である女を○姦して子供を産ませた。
- 子供と母親は漆黒聖典が奪還。
- エルフ王は子供を取り戻すことを願っている。
- エルフ王は左右の眼球の色が違うオッドアイ。
んー、このエルフ王、クズですわ(笑)
洋ゲークラスタでお馴染みの外道エルフですね。
日本におけるエルフ=森妖精=善のイメージはほぼ間違いなくディードリットのせいだと思いますが、元々のエルフには華奢だとか美形だとか争いを好まないといった善なるイメージはありません。
法国が裏切者、と腹を立てて戦争しているのもわかります。
そんな外道エルフ王に○姦されて生まれたのが漆黒聖典番外のハーフエルフさんという訳です。
これはパーソナリティに難がありそうな子ですね~。
あんな性格に育ておって、というのも色々と背景があって面白そうですし、フォーサイトのイミーナがアウラの瞳に驚いた理由も判明しました。
それと、デミウルゴスが言っていたドワーフに打った楔。
これはアンデッドの貸し出しと独自技術の移植、魔導国への好印象の3つが当てはまるでしょう。
危険な功績採掘業務をアンデッドに代行させるようになればドワーフは仕事を失うし、ルーン技術を失えばドワーフ固有の技術が無くなる。
しかもより優れた国へ好印象を持つようになれば、人口流出が起きるかも。
なんというか、発展途上国に機械を売りつけて、織物や書画などの伝統工芸の職人を残らず奪い、TVや映画で豊かな生活を見せつけるような感じです。
人口を8分の1に間引かれたクアゴアに比べれば幸せですが、長期的には厳しいでしょう。
ドワーフ国は鉱石とか資源が尽きたらヤバい。
後はどういう展開になるのか分からないのが鍛冶工房長がインゴットをもって失踪したこと。
おそらくは技術力を恥じて身を隠したというより、どこかにインゴットを加工できるほどの高熱を出せる炉など、心当たりがあるのだと思います。
本編に絡むか不明ですが次巻以降、忘れた頃に出てきそうな感じですね。
さて、伏線的にはこんな感じでしょうか?
ただ、11巻で良かったのがアウラとシャルティアですね。
茶釜とぺろろんちーののリアル姉弟の関係性が再現されていていい感じです。
シャルティアは恥を雪ぎましたし。
特装版ブルーレイと劇場総集編について
ぷれぷれぷれあです、のブルーレイですが良くも悪くも完全にファンアイテムです。
本編に絡むような情報はありません。
ただ、声優ネタとしてみたらかなり面白いです。
「千葉ス」にはかなり笑わせてもらいましたし、デミウルゴスが語尾に「ぞなもし」とか付けてしゃべるのは面白いのか痛いのか分からなくて微妙な笑いが浮かびました(笑)
それと、あんなにゴキブリがててくる特典もないだろうなぁ。
パンドラズアクターにもちゃんと出番があったので満足です。
次巻は2017年という事しかわかりませんが、出来れば春頃には出して欲しいところです。
おそらく劇場総集編の告知と連動させるのでしょうね。
総集編という事でTV13話を2時間程度に収めたものと思います。
そして、やはりどうしても低予算なのでTVではアニメーションのクオリティが厳しかったです。
ガルパン、君の名は、聲の形などいい感じで劇場アニメが成功しているので、後に続ければなぁ。
そこら辺をいい感じにブラッシュアップしてくれるとまた円盤を買う気になるので是非よろしくお願いしますm(__)m
オーバーロードDVD特典ドラマの感想とネタバレ!テイルズウィーバーとのコラボについて
・・・これまで書いたオバロ関連の記事を張り付けましたが、ほかにも結構書いてますね。
コメント
[…] オーバーロード11巻の感想とネタバレ […]
>デミウルゴスが言っていたドワーフに打った楔。
>これはアンデッドの貸し出しと独自技術の移植、魔導国への好>印象の3つが当てはまるでしょう。
>危険な功績採掘業務をアンデッドに代行させるようになればド>ワーフは仕事を失うし、ルーン技術を失えばドワーフ固有の技>術が無くなる。
>しかもより優れた国へ好印象を持つようになれば、人口流出が>起きるかも。
>なんというか、発展途上国に機械を売りつけて、織物や書画な>どの伝統工芸の職人を残らず奪い、TVや映画で豊かな生活を>見せつけるような感じです。
いつもブログ勝手ながら読ませていただいております。
なるほどそういう含みがあったのですか。
そこまで思考できませんでした。
感謝します。
11巻でやっと登場したドラゴンがグラスプ・ハートで一瞬で戦いの場面が片付いたのが印象に残りました。
引き続きオーバーロードの感想楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
ブログ活動の励みになります。
今後も新しい情報が入り次第感想やら何やらの記事を書いていくつもりです。
オバロにハマったものです!
最新巻である11巻を読み終わったので、
このブログを見させていただきました。
オバロはアニメを見ており、しばらくした後に続きが気になり
読み始めて、ドハマりしました。
オバロは、「キャラの魅力」と「リアリティ」、
「結構面白いコメディ要素」、そしてくがねさんのお言葉通り、
基本的には「強者が善で、弱者が悪」という世界観、
これらが自分の趣味にすっぽりとはまる作品だったため、
とても気に入りました!
オバロ9巻は、カルネ村とナザリックのことについて書いた、
日常要素の濃い巻でしたが、
それぞれのキャラの魅力、コメディなどを強く感じ、
案外楽しむことができました。
あと、巻末でso-binさんが
「アニメのサントラ聞きながら読むと良かった」
と書いていたので真似てみると、
読み返しの際では、結構よかったです(笑)
やっぱり初読は物静かな状態が一番でした(;´Д`)
このブログを見ていると、様々なことに気付き、
今までより一段とオバロを理解できているような気がします。
また説明もわかりやすいので、勝手に気に入っています(笑)
読後に読む予定の、12巻のブログも楽しみにしています。
楔ってのは普通に胃袋を押さえたことじゃないの
ドワーフというワーカホリックで肉体が資本な種族にとって、食い物と酒は娯楽の大部分を占めるもんでしょ
戦士や職人としての誇りに次いで大切なもの
ロードス島戦記でも、良質な酒の生産国がドワーフの王国の最も親しい盟友となって交易によって栄えていたしね