確定申告の作業をしていると、今年も沢山本を買ったなぁ、と思うのですが、電子書籍についてはTwitter界隈で色々と話題になっているみたいですね。そこでモダンの意見も書いてみました。
まず、大前提として知っておいた方が良い事は月に10冊以上本を買う人は全人口の10%にも満たない、という事です。
下記のネットリサーチというサイトに情報があったのですが、30代以下の1割が、「本は全く読まない」そうです。
上記のデータからは年に1冊買うか、買わないかという層が20%。
月に10冊以上本を買うのは10%未満。
ボリュームゾーンは月に2~3冊程度ではないでしょうか?
上記のデータは2008年ですから、不景気と出版不況が進行した現在では更に本離れは進んでいると予想されます。
このアンケートを頭に入れた上でモダンの意見を読んでもらえると、色々と分かってもらいやすいのではないかと思う次第です。
また、モダンの立場を明確にしておきます。
モダンは使い分け派です。
何でも間でも電子書籍の方がいいという訳ではありません。
技術書や資料集などは紙の書籍の方が良いので使い分けするのは当然だと思っています。
複数開いてページめくりとか、電子書籍ではほぼ無理です。
その為、特に気に行った本は紙と電子書籍の両方を買っていますから、むしろコストアップしているくらいです。
決して電子書籍原理主義という訳ではないのでご注意ください。
本を買うのは一部のヘビーユーザー
まず、上記のアンケートを見た時にちょっと驚きました。
モダンは月に3~5万円程度を書籍代に使っているからです。
モダンの友人知人も本代には惜しみなくつぎ込んでいるタイプで、面白い本を勧めると直ぐにアマゾンでポチったりします。
もっとも、オタククラスタだから、というのもあるでしょうけれども(笑)
個人的にはこんなに本を買っているのに儲からないとは何事だ、と思うのですが、月に2~3冊しか買わない人達ばかりなら街の本屋がつぶれるとか、出版不況とか色々言われているのも仕方のない事です。
月の書籍代が2000円~3000円位って事になりますからね。
そして、業界人のツイートを見ていると、大量に本を買う一部の人達が業界を支えているという点は一致しています。
ここまでなら特に問題はありません。昔から大きく変わらない出版事情でしょう。
で、問題なのはそういった大量に本を買う一部の読者が電子書籍に移行しているという事です。
ヘビーユーザーの電子書籍への移行
ヘビーユーザー程電子書籍を有り難がります。
何故なら月に数十冊の本を買えばあっという間に置き場所がなくなってしまうからです。
中には内容うっすい新書の様に一度読んだら二度と読み返さない本もありますが、大抵の場合は泣く泣くブックオフや下記のようなネット買取サービスへ送って本代の足しにしています。
しかし、電子書籍ならアーカイブとしてずっと本のデータを持ち続けることが出来ます。
電子書籍を下取りに出すことは出来ませんが、読書家にとってみれば(ほぼ)無限のアーカイブの方が有り難いのは当然です。
その為、特に思い入れの無い本や資料としてしょっちゅう手元で開くことのない本、特に漫画類は電子書籍で買う事が多くなりました。
その結果としてリアル書店で本を買う頻度が減ってしまったのです。
読書家クラスタの購買力には限りがあるのですが、落とすお金が書店からアマゾンへと移ってしまい、街の本屋が潰れているのです。
正直、本屋の取り寄せは手続きが遅すぎるし、届くのも遅いのでわざわざ利用するメリットはありません。
端末の反応が遅いのか知りませんが前時代過ぎです。
本屋で見つからなかったらカウンターに行って取り寄せてもらうより、アマゾンでポチって次の日の夕方にでも届けてもらった方が楽で得です。
出版社の都合と傲慢
ここからが本題です。
Twitterで議論を起こしていたのは、下記の4点。
- 電子書籍はいくら買っても作者の利益にならない(ので買うな)。
- 電子書籍はいくら買ってもシリーズ継続への目安とならない。
- 本の価値はリアル書店での初動で決まる。
- 電子書籍化にはコストがかかるので出版社にとっては赤字である。
これらの内容をつぶやいていたのは匿名とはいえ、出版社の人間です。
要するに紙の書籍を買ってねという事が言いたいのでしょうけど、あまりにも傲慢。
どこがダメかといったらもう全部がダメって感じで、しかも全く無自覚です。
もう沢山の人たちがダメ出しをしているのでモダンは書きませんけど、勝手にもほどがある。
そもそもの問題として、この10年いったい何をしてきたのって事です。
アマゾンにシェアを奪われながら何もせず、読者に変化するなって言うだけ。
元々、鈴木みそさんの書籍によれば、大手出版社において電子書籍部門は資料整理の左遷部門として位置づけられていた、との事ですから、明らかに会社の経営ミスが現状を招いたと言えるでしょう。
コンテンツはいっぱい持っているのに海外の会社に流通基盤(通販とキンドルフォーマット)を握られるなんて雑魚過ぎ。
- 楽天kobo
- eBookJapan
- ブックウォーカー
他にも山ほど電子書籍の規格がありますが、圧倒的に強いのがアマゾンキンドルです。
どこも自分が胴元になりたくて囲い込み(笑)をしようとしている内に黒船にパクッとやられた・・・のでしょうか?
この辺りの出版社の対応については某所で京極夏彦さんが大変お怒りになっていたと聞きますから、作者の方からも出版業界横断的なフォーマットを作って対応してくれという要望は出し続けていたようです。
読者がそれを望むのだから当然ですよね。
しかし出版社が全く何もしなかった結果として一番おいしい胴元の部分をアマゾンに取られてしまったのです。
本読みとしては書店で紙の書籍を買うのと同じ感覚で電子書籍も買いたいですから、もっとも沢山のアイテム数があるフォーマットを選ぶのは当然です。
にも拘わらず、電子書籍で買っても本を評価しないと言ってしまうのは全く懲りていないとしか言いようがありません。
オタククラスタの人間は出版部数の少ない作者を応援する事が良くあるのですが、電子書籍では認めないというのです。
ホントにあなたがその本(作者)を応援したければ、発売日に書店で、出来れば予約して買って、しかもネットで感想をブログやTwitterで投稿してねって言われて何かイラッとしない人は仏か何かでしょう。
いくらなんでも注文多すぎ、読者に負担かけすぎ。
モダンは好きでブログ運営して、好きな作品の記事を1万文字でもいくらでも書いていますが、それを当然とか思われると作品を読みたい自分の足元見られた感じでムカつきます。
実際、角川のオーバーロードは累計250万部以上売れているとの事ですが、あの分厚い書籍の電子書籍化はされていません。
※追記:されました!
最新刊の発売と一緒に電子書籍も出してほしいとは言いませんが、過去の作品から順番に電子化して欲しいところですね。
紙の本が売れなくなるからやらないのでしょうか?
詳しい内部事情は知りませんが、出版社の方針と読者が望むことは100%合致せず、ズレているという事位は分かってほしいと思います。
出版社の社員の高齢化や紙媒体に最適化している為に(10年前から)電子化に舵を切れないという事情があると聞けば、いち読者としてもお互い様で納得します。
※フォーマットをアマゾンに握られているから利益が出なくてダメなんだと言うのは自社のせいだろ、としか思えませんけど。
しかし、その上で自分たちの現状に合わせろと言う風に出版社の人達が思っているのなら、傲慢と言われたり、温度差があると言われても仕方ないと思うのです。
そういう本音が透けて見えちゃったからTwitterで議論になったのでしょうね。
キンドルのおすすめ
以上の事情を踏まえた上で、お勧めしたいのが最新のキンドルファイアです。
これまでのkindleは内部容量が限られていた為、あっという間に満杯になってしまいダウンロードした書籍を削除する必要がありました。
もちろん、作品自体の権利はあるので容量さえあればいつでも再ダウンロード可能です。
しかし、このキンドルファイアは外付けのSDカードに対応しています。
これまでのkindleはSDカードに対応していませんでした。
その上、容量が4ギガや8ギガ程度しかなかった上に内部のソフトウェアに1G近く容量を取られていたのです。
しかし、最新世代ならSDカード追加で32ギガもあればかなりの書籍が格納できます。
ガワの手触りも凄くいいですし、Blue Shadeモードというブルーレイカットモードも付いているので本当におすすめのkindleタブレットです。
アマゾンプライムに入っている人なら4000円引きのクーポンも使えますから是非、手にして欲しいと思います。
本の整理に悩んでいる人は電子書籍に移行してみると良いですよ。
手元に置いておくまでもない本でも気軽に買ってしまうという弊害はありますけど(笑)
コメント