いつの間にリリースされたのか、発売後4か月もの間、全く気が付きませんでした。画集と合わせて紹介します。
大分前に微妙な形で完結した薔薇のマリアですが、なんと2016年の9月に続編が発表されていました。
その名もノラ猫マリィ。
また、続編だけではなく、アニメイト限定受注生産で画集も出ていたとの事。
偶然アマゾンで見つけて仰天しました。
書籍はともかく、画集はプレミア価格(7000円!)でしたが1秒迷って購入。
※撮影ボックス買いましたw
ちょっとばかり痛い出費でしたがこのシリーズは追い続けているので文句はありません。
さて、内容はいったいどんなものだったのか、いつものように好き勝手書いていきます。
ノラ猫マリィとTHE LAST ROSEのネタバレ感想
取りあえず順番に結論から言ってしまいます。
画集の方はかなり満足です。
ノラ猫マリィの短編も載っているのでお得感もありますね。
紙の方はプレミアがついていますが、キンドルなら定価で手に入ります。
手元に置いておきたい人は苦肉の策で電子書籍もアリです。
もっとも、昔だったらプレミアでも買えれば運が良かった位なのですから、品薄でも定価の電子書籍で手に入るのは非常にありがたい。
こういうのが大事だと思うのです。
そして、問題はノラ猫マリィの方です。
正直食い足りなかったというか、物足りなさが半端ないです。
薔薇マリのシリーズは複数人物の主観がないまぜになって、独特の濃い雰囲気を出していたのですが、続編となる本作ではマリィの視点に張り付いて物語が進みます。
そのせいもあってか、他の新キャラクターにイマイチ深みを感じません。
最底辺のスラム育ちのアラセやジョハンなどそれなりにキャラクターが立っているように思えますが、言葉が不自由な野生児なので深い内面が無いんですよ。
また、パンカロ・ファミリーの末裔らしいマフィアとかカタリとアーニャ・クルチバの遠い子孫だろうと思われる卍(バン)・クルチバ、アサイラムのモリィを思わせる森チエリなど、なつかしさや前作とのつながりを感じさせるキャラクターもいますが、それ以上は無いです。
薔薇のマリアから迷宮探索や魔導王とディオロット、魔術、神、地獄、悪魔、業の深い沢山のキャラクター、世界のデプログラミング計画などの超魅力的な神話的要素を取り払ったのが本作だといえるでしょう。
これ、薔薇マリの世界でやる必要あったのか、と。

先に画集で短編を読んでいたので、かなり肩透かしでした。
本作の主人公は前作のマリアとは別人ですが外見がそっくりなマリィ。
無性という事で、おそらくは鍵として新たに生成されたのでしょう。
前作からどれだけの時間が経過したのか分かりませんが、世界は大きく様変わりしていて魔法使いもほとんど存在せず、迷宮も無いので前作と同じ意味でのクラッカーもいない。
都市国家とスラム、その中でのマフィアの抗争が大きな背景となります。
クライマックスでは爆雷策などの魔術の込められた魔法石(ジェム)を使って正体不明の怪物と戦う展開になるのですが、とにかくしょっぱい!
薔薇マリ以降の十文字さんの作品はみんなスケールダウンしてしまって、残念過ぎです。
ゴブリンと闘っても苦戦するようなグリムガルがアニメ化されたことで、小さくまとまった作品を出す方針になったのでしょうか?

あんなほっぽり投げたような終わり方をした薔薇マリ世界、しかもキャラクターを再利用という事ですから、現時点におけるノラ猫マリィについては残念としか言いようがないです。
もちろん、作家買い・作品買いをするので続編も追いかけますが、どこかでエンジンに火が入って欲しいですね。
それと!
モダンは毎月かなり本を買っていますし、結構チェックもしている方だと思うのですが本作については全く盲点でした。
薔薇マリの続編ってどこかで告知されてたのか。
告知が無かったとしても角川書店内でレーベルが違うし、本のサイズも違う。
これでは旧作が置いてある本棚をチェックしても気づかないでしょ!
しかも画集はアニメイトで受注販売&告知って・・・マジで売る気あるのか疑問です。
沢山売れないのが分かっているから受注生産にするのはいいとしても、何故アニメイトで告知する?
- 続編はこれまでと同じラノベの本棚に並ばない→対象年齢が若干高くなるのは分かる。
- 画集はアニメイト→対象年齢が低いので、長年のファンは気づかない。
なんか間違ってないか?
この作品を誰に向けて売りたいのか完全に迷走している。
作品の内容は作者の責任ですが、売り方は出版社の責任です。
薔薇マリは長く続いた作品なので、読み続けてきた読者はそれなりの年齢になっていますから、アニメイトに通う人は少ないでしょう。
実際、モダンは秋葉原に行ったとき位しかアニメイトに入りません。
とにかく、売り方だけでなく、読後のガッカリ感や7000円で画集を買った事までも含めて残念としか言いようがないです。
出版社は電子書籍ユーザを批判するような言説を垂れ流す前に作品の流通や告知の方法から考え直した方が良いでしょう。
先日の出版社の電子書籍DISに対して、ぽつぽつと火消し記事が出てきていますが不信感しかないです。

正直、読みたい作品が手に入るなら出版社なんてどこでもいいです。
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