やっぱり九井諒子さんは凄い!失速無し、大満足の4巻でした。本作を読んだことが無い人は一気読みが吉。
いやー、面白かった。
単行本派なので一切先の展開を知らずに読めたので満足度が凄かったです。
4巻は表紙にあるように、いよいよレッドドラゴンを倒してファリンを蘇生させるエピソードですが、いわゆる少年漫画とかの文脈にある戦闘シーンとは一線を画した表現をしていて新鮮でした。
作者はもともとバトル漫画出身という訳でもないですから、派手な作画は一切ありません。
しかし、次々と仲間が傷ついてダウンしていきながらも最後に勝つ展開は燃えるものがあります。
ジャンプ系の漫画だと、まるで金属や石材が松脂で出来たガラスみたいに砕けたり、オーラが爆発したり根性で限界突破するのですが、これらの表現にはかねてより違和感を持って読んでいました。
派手さの表現のせいで「痛そう感」とか「重み」が感じられないんです。
これはキャラクターの心象風景が作画に表現されている、ある意味で印象派的な表現だからだと思います。
しかし、本作だと瓦礫に頭を一撃されて昏倒したり、ドラゴンに踏まれて骨折したり、足をかみちぎられたりと、絵の表現とは別の部分で臨場感を感じます。
なんだろう、このちょっと引きながらも切迫感を感じるのは。
ひょっとしたら、ゆうきまさみのバトルシーンに似ているのかもしれません。
4巻のネタバレ
さて、ネタバレ前提で話を進めます。
何とかレッドドラゴンを倒し、白骨化したファリンをマルシルの黒魔術で蘇生させる事に成功したライオス達。
ライオス達の目的は見事達成されたのですが、物語の背景が明らかになってきたせいで大きな陰謀に巻き込まれそうになっています。
これまでに少しずつ情報開示されてきたのは下記の通り。
なお、ダンジョンを略奪することで島が豊かになるっていう展開は薔薇のマリアのエルデンを思い出しました。
- 迷宮にかけられた巨大な魔法
- ダンジョンが自給できる魔法の循環
- 絵画の中で見た在りし日の城
- 絵画の中で見たダークエルフの子供
- 迷宮にかけられた魂をつなぎとめる魔法
- 迷宮から出土する財宝で潤う島の領主
- 迷宮の所有権を求めるエルフとその目的である魔術
これらがいったいどんな関係を持っているのか、そして最重要なのがドラゴンの血肉を使って黒魔術で蘇生したファリンです。
魔力が満ちているとの事ですし、ひょっとしたらただ蘇生したのではないかもしれません。
ラストでダークエルフが魔法陣の一部を発見しますから、今度は魔法がらみの抗争に巻き込まれていくのでしょう。
モダンの予想ですが、おそらくは死を恐れた城の領主が不死の魔法を城全体にかけたのではないでしょうか?
その魔法を維持するために巨大なダンジョンを必要とした。
おそらく魔法をかけたのは絵画の中で見たダークエルフ。
だからエルフがダンジョンに執心していると思うのです。
もしかしたら城主が命じたせいではなく、不慮の死を遂げたせいで、絶対死させないように後から勝手に魔法がかけられたのかも。
まあ現状では開示された情報をつないだだけなので、全くのあてずっぽうですがちょっとは自信があります。
はやく5巻が読みたいですね。
旧パーティの仲間とは合流することは無くても、どこかで絡んでくるような気がします。
それと、最後にファリンとマルシル。
二人とも滅茶苦茶かわいいですねw
それにキャラクターに「どこかで見たことのあるような感」が全くなくて凄く魅力的。
いっとき、タンブラーやTwitterでマルシルのコラとかGIFをよく見かけましたが、分かる気がします。
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