これはモダンの立場としては絶対に読んでおくべき作品だと思ってポチりました。結果としては想像以上。色んな意味でショックを受けた作品です。
フリーランスになってしばらく経ちますが、やっぱり仕事が安定しているかと言われたらかなり微妙です。
仕事がある月と無い月で収入が30万円位は平気で変動しますから、正直安心感は無いです。
もっとも、そのせいでアフィリエイトを利用して収入の補完をしているのですけど、老後の備えと言われたら不安です。
何しろ会社に勤めている状態だったらもらえたハズの厚生年金や退職金が無いのです。
会社を辞めた事で厚生年金はこれまで掛けていた分が65歳以上になれば支給されますが、退職金は0です。
モダンの勤めていた中小企業では7年程度で退社したら退職金は100万円位しかもらえません。
これが40年になると2000万円超えるんですけどね。
もっとも、今2000万円の退職金をもらえるのは逃げ切りジジイ世代だけ。
モダンの世代が退職年齢に達する30年後頃には1000万円程度が限界だろうと言うのが社内での共通した見解でした。
ただ、今になって思えばこの予想さえ甘々です。
何しろ30年後まで会社が存続しているのが前提で予想しているのですから、サラリーマン思考の限界ですね。
とは言うものの、貰える可能性あった1000万円が惜しく無いワケはないのです。
夢と希望にあふれて語られる脱サラ、フリーランスの実際と社会保障、老後の備えについて赤裸々に買ってくれているのがこの漫画です。
- 脱サラしたい人
- 既にモダンの様に脱サラしている人
- 飲食業など根っからの自営業者
- 職人系一人親方
- フリーター
どれかに当てはまる人は絶対に読んでおいた方が良いです。
漫画なのですごく読みやすいですよ。
自営業の老後の内容と感想
まず、本作は狂言回しを作者本人が努めます。
作者は上田惣子さん。
フリーのイラストレイターで最盛期には年収1000万円を超える収入を得ていたようです。
しかし業界歴が長くなり、53歳になった今、収入は3割に低下(7割減!!)。
実際の年収は書かれていませんが、作中の棒グラフを見る限り300万円位でしょう。
理由としては年配になったせいで「使いづらい」立場になった事や、付き合いのあった担当者が出世して現場にいなくなったことがあげられます。
年をとっても続けられそうな技術職であってもこの状態ですから、モダンとして自分の行く末を見るようで震えました。マジで。
そこに自営業の老後についてのエッセイ漫画の依頼があって、出来たのがこの本です。
感想を一言で述べるなら、国の制度を上手く使って備えよう、収入計算して現実を見ようというところ。
なにしろ作者は年収1000万を超える時代があったにも関わらず国民健康保険未納者なのです。
その代わりに入っていたのが怪しげな民間の個人年金保険。
いかに国民健康保険のワリがいいか、節税効果があるか、民間が危なくて損なのか、といった事がプロとのインタビューを通じて分かります。
最終的には恥を忍んで役所にいって未納である事を申告、5年遡って88万円分の年金を納めます。
ちなみにモダンの場合は国民健康保険は全部納付済で、フリーランスの今でもちゃんと納めています。
厚生年金は会社員時代は全部納付済で10年分程度。
この状態で老後を計算したところ、60歳で貰える金額が10万円程度しかなくて心もとないので、追加で国民年金基金に入っています。
これで老後には毎月15万円程度はもらえる計算です。
しかも国民年金基金は全部控除対象となるので節税もできます。
そういった事を一切やってこなかった作者が目覚めていく過程が丁寧に書かれていて本当に面白い。
また、投資系にも少しだけ触れられていますが実際に検討するのならちゃんとプロに相談しましょう。
生命保険などは無駄になっている人も多い感じです。
他にも様々な自営業者の老後の現状や備えが書かれていて参考になります。
フリーランスに限らず、サラリーマンの人にも是非読んで欲しい名著です。
強くおすすめ!
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