迷宮ブラックカンパニーの感想とネタバレと惜しい点

迷宮ブラックカンパニー

全くノーマークの作品です。書店で帯の文言と合わせて表紙買いしました。ありがとうなんて集めてる場合じゃねえっていうのは名コピー!思うところを書いていきます。

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まずはアンチクライマックスに結論から。

物凄く惜しい!!

ホントに惜しい作品だと思います。アイデアや異世界転生ネタの変奏曲が凄く効いていていい感じなのですが、ワキが甘いせいで作品世界に没入出来ないところがあります。

ありていに言うと、粗い。

今後、作者の漫画術が上手くなっていけばいいですが、作品としては一番面白そうなところを急いでやっちゃったので本当にもったいないですね。

あらすじと主人公

異世界転生ジャンルの王道は、何らかの原因で死んでしまった結果、物凄く有利な技術な能力を身に着けて異世界に生まれ変わったり、移動するというものです。

大抵は現実世界で上手く行っていない人が主人公となります。

無職転生なんて引きこもりでしたし、ディストピア世界の下層民だとか、あるいはただのオッサンだとか。

しかし、迷宮ブラックカンパニーでは、現実世界で上り詰めた男が絶頂の瞬間に何の特典も無く異世界に移動させられてしまいます。

主人公、二ノ宮キンジ(24歳)は元ニートですがネットでの資産運用や海外投資を成功させ、今や都内に3つのマンションを持ち、最上階から下界を見下ろす勝ち組となりました。

質素倹約で有名な二ノ宮金次郎とは全く逆の人物造形ですね。いかに資本主義のシステムを使って労働せず財貨を得るか、という点に長けているからです。

そんなキンジに突然の不幸が!いきなり足元に穴が開いて異世界の公園へパンツ一丁で放り出されてしまうのです。

その結果、このまま一生セレブニートとして暮らしていける勝ち組だった男が、異世界の危険な魔石鉱山でのブラック労働を強いられるようになったのです。

こんなに悲惨なことはありませんが、キンジはめげません。

自分は人に使われる男ではない、思考停止の社畜ではないという事で口八丁手八丁。同僚を犠牲にしてでも手練手管を使って成り上がろうとします。

そして1巻の最後では魔石鉱山のアリ型モンスターの群れを率いる迷宮ブラックカンパニーを立ち上げるのです。

こんな具合で人物的にもシナリオ的にも明らかに、報われない現実の代償的な異世界移動とは異なる事が分かります。

なんというか、キンジの造形としてはデスノートの夜神月とランスを足して知性とエロ要素を引いて3で割った感じ。

惜しい点

ところが粗がいっぱいあるんですよ!

最大の粗は説得シーンです。

迷宮ブラックカンパニーではキンジがお人よしの同僚を危険な仕事に誘ったり、アリの群れの不満を煽って反乱させるシーンなど、ネゴシエーションの局面が多いにも関わらず、発言内容や展開に無理があり過ぎるのです。

こんな内容で説得できるかよ、って感じで冷めます。

物凄く陳腐な扇動でキャラクターが動いてしまうので無能感がハンパない。頭がいい人を描写するには作者の頭も良くないとダメ、とは言われていますが、ここは勢いだけで行けるシーンじゃないでしょー。

セレブニート生活どころか、いきなり多額の借金を負い、腕力も特殊能力もなく、扇動力と野心だけはある男が会社を立ち上げて成り上がっていく物語を描きたいのは分かりますが圧倒的にシナリオ力が不足しています。

マジもったいないですね。

すぐにキンジを成功させない装置&華要素として、大食いのドラゴン娘を側に置いたり都合のいい舎弟になりそうなワニベを配置したりと、色々考えられていますが意図があからさまなのでこれも冷め要素です。

ともあれ、編集者が付いていて、適切なフィードバックを受けていれば潰せる粗だったと思うのでウェブ漫画連載という媒体の未成熟さが原因かと思います。

ともあれ、近珍しい野心系主人公の漫画なので今後に期待。

 

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