ダンジョン飯8巻と合わせてアニメCMまで発表されたのでブログ記事にしてみました。これはアニメになったら絶対にシーズンの覇権取るでしょうね。
8巻も相変わらず高いクオリティで面白さは全く衰えません。どれも軽々と予想を超えるエピソードばかり。
取り合えず人物を中心に雑感をまとめてみました。
ライオス
ファリンの霊媒体質のエピソードなど以前から断片的に過去が語られていましたが、今回でほぼ確定。これでほぼ全員が掘り下げられましたね。
好きなものに没入したり、空気が読めない性格では軍隊になじめなかったのは予想出来るし、好景気の島に流れてきたのもわかるって感じ。
閉塞的な田舎を飛び出して衣食住保証してくれる軍隊に入るっていうのは結構リアルですよね。
軍隊で受けた訓練で剣の基礎があったから冒険者になれたのでしょう。
彼のモンスター愛好家っぷりと人の好さが物語を引っ張っているけれど、決してまっとうな趣味やマインドの持ち主でないというのも周囲の反応からよ~く分かります。
このあたりを設定の羅列にならずに描く漫画力とバランス感覚は凄まじいとしか言いようがない。
ファリン
一度は蘇生できたものの、討伐したドラゴンの肉を媒介にしたためにドラゴンの魂と混じってダンジョン自体の秘密と運命が繋がってしまった様子。ライオス一行のモチベーションの源ですね。
彼女をドラゴンの魂と分離するにはどうすればいいのか?
ドラゴンの部分を食べてしまえばよいのでは?というセンシの案はかなり衝撃的。
でもダンジョン飯というタイトルテーマとしてはラストエピソードとしてアリだと思う。
一種のカニバリズムっぽい展開ですけど、生き物を食べて自分の血肉にするという生き物のルールをどう描くのか、もう楽しみしかないです。
マルシル
以前からちょっと抜けたところがかわいいマルシルですが、本巻でもいじられつつ愛でられてます。
可愛いハーフフットに変身したり、ライオスとファリンの生い立ちを耳にして涙を流すキレイな展開の後に筋骨隆々のオーガに変身してチビセンシをつまみ上げて叱るのはお好きな人にはたまらないかもしれない(笑)
彼女の黒魔術はダンジョンの秘密を解き明かすカギになるでしょうね。何気に母親が宮廷勤めという情報がありました。夢の中で大きな本棚に囲まれていましたし、結構いいとこの娘なのかも。
とりあえずマルシルはかわいい。
センシ
7巻ではまさに主役、衝撃の過去が明らかになりましたが本巻ではわき役に徹してます。
あの過去があってこそ、この行動原理になるよねって素直にうなづけます。後半になってようやく過去が明かされたのもダンジョン全体を貫く謎に関係するからでしょう。
8巻はチェンジリングでお耽美なエルフに変身して役立たずになったり、チビになって勝手にマルシルの作った変身防止の軟膏を料理に混ぜて叱られたりとコメディ担当でしたが、本質を突く一言も。
チルチャック
マルシルを含めて全員ナチュラルにずれているパーティの常識面を担当しています。
チェンジリングで分かりましたけど、トールマン(人間)の男性だったらまさにオッサンとしての役回りでしょう。
嫁さんに逃げられた理由をマルシルに推測されてましたが、ドラマとしてはかなり普遍的なエピソードかもしれない。まさか巻末漫画のマルシルの恋愛脳が伏線になっていたとは(笑)
種族の違いが如実に現れていて面白いですね。
イヅツミ
最後に参入したメンバーですが、ファリンと共通している問題を抱えているのでもしかしたら結構重要なエピソードに絡んでくるかも。
初登場時には私にとりつく呪いを解いて欲しいと言っていたので、猫人間として生まれたのではなく、ある時までは人間100%だったのかもしれない。
多分イヅツミの過去エピソードはファリンの復活のヒントになるし、関係があると思う。
そして途中参入ではありますが、かなり丁寧にパーティになじむエピソードが描かれています。
彼女が変化する様子が凄く丁寧に描かれていますし、涙を流すマルシルを不器用に慰めるシーンのコマ割りと描写の細やかさよ!
そして、8巻になってからなんか性格が丸くなってかわいく描かれてない?
シュロー
ファリンにプロポーズした東方出身の武家の若様。腕は確かだけど育ちの良さのせいかライオスに振り回されたり、常識を優先しています。
彼が出てきてから一気に世界が広がった感がありますね。いわゆるファンタジーヨーロッパで登場する高度な別文化を持つ辺境民の立ち位置。
ファリンとは上手くいくのかな?
カブルー
ダンジョンの暴走で故郷が滅び、エルフに育ててもらって冒険者になった苦労人、年に似合わぬ気遣いの人。人間観察が得意で人間関係を上手く回せるけどイマイチちから不足。多分彼ではライオスの代わりは出来ないし、ドラゴンは倒せないと思う。
何故故郷が滅んだのか知りたい、そのためにダンジョンを自分たちの手で攻略したいと考え、真実を教えてくれないエルフには複雑な感情を持っている様子。
8巻ではついに周囲の都合を無視して本音を口にしました。年齢相応の激情出ていて凄くよかった。
落下したけど・・・まあ、生きてるでしょ。
ミスルン隊長とカナリアたち
エルフのダンジョン封印実行部隊で古代魔術に関わった犯罪者が多数、もちろん全員が実力者っぽい。隊長のミスルンは体術に転移魔法を組み合わせて相手を壁に埋め込んだりとウィザードリィみたいな戦い方をする、まるでチートだ。
体格も華奢なエルフの割には肩がガッチリ描かれていて、女性格闘家らしくてかっこいい!
彼女が隻眼だったり長耳が半分から切り落とされているのは、何らかの罪を犯した代償としてカナリアにいるからでしょうね。戦争で負った傷とは考えづらいかも。
ダンジョンの封印は何度も行っているようで手慣れた様子。カブルーが邪魔しなければ物語が終わってましたね。
ダンジョン飯の面白さ
ダンジョン飯のどこが面白いのかといえば、色々な面から語れますが、何といっても全体的に漫画力が高いというのが大前提にあります。
作者の基礎体力が高いので画力だけでなく凄くキャラクターが生き生きしているんですよ。描写に不自然感が全然ないし、メチャクチャ魅力的。
九井諒子さんはダンジョン飯以前に短編集を3つ出しているので、もし読んだことがないの出れば絶対に読んで欲しいですね。短編こそ作家性が試されます。
この高い漫画力でハック&スラッシュ系のファンタジーゲーム作品の世界と流行のご飯漫画を組み合わせて生まれたのがダンジョン飯なのですが、単にファンタジー食材を食べるというだけでなくダンジョンをめぐるサスペンス要素や友情、相互理解といったテーマが重層的に張り巡らされており、凄まじく密度がある作品になっていると思います。
いわゆる濃い漫画の代表に士郎正宗作品がありますが、ああいった欄外への大量の書き込みやジャーゴンの嵐だけが密度を作るわけではない事がよく分かります。
だってダンジョン飯はまだ8巻だけど、実質は20巻分くらいのエピソードだと思うのですよね。
火竜を倒してファリンを助けた時点でひと段落するかと思ったら、ダンジョンそれ自体の攻略という更に大きなテーマが見えてきたのが凄い。キャラクターも増えるし!
正直、ホントに20巻位やってほしいです。
ダンジョン飯のアニメ化と今後の展開
こんなに手が込んだ動画CMが作られるくらいですから、まず間違いなくスタジオのスケジュールは抑えてあるんじゃないでしょうか?
来年あたり発表ありそう。
K書店は金の卵を産む鶏をまずいフライドチキンにしてくれる事もありますし、原作の無駄使いとしか思えない粗製乱造アニメも多いですから、たとえ発表が遅くなったとしてもクオリティにこだわって大事に作って欲しいです。
あんまり言うとアレだけど、このところの流れだと、ネットフリックスとかamazonの大資本でまとめて2クール発注とかで受けたほうが資金的にも納期的にも恵まれた環境で作ってもらえそう。
ダンジョン飯の読者は何らかのVODに登録している比率が高そうだし、それで問題ないのでは?とか思ってしまう。
ともあれ原作もアニメも追っていくつもりです!
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