今回は超マイナーなネタをご紹介。あんまり有名なラノベじゃないんですが、モダンのお気に入りです。
21巻にして遂に完結しましたね、薔薇のマリア。
つぼみのコロナとかのスピンオフも合わせるとかなりの巻数になっています。
この小説は2004年に1巻が発売されてから、もう10年!
モダンはずっとフォローしてきましたし、1軍(なんのだ?)の本棚には常に並べていました。
なんだか個人的にも一つの時代が終わったような感触があります。
なお、作者インタビューがスニーカーのサイトにあるのですが、ロングインタビューと言う割にちょっと薄い(笑)
あんまり突っ込みきれてない感じですね。
冲方丁のインタビュー位の読みでがあると嬉しかったのですが、ちょっと虚脱した感じが否めません。
さて、ここからネタバレ上等で行きます。
公式サイトには5月1日発売とあったのですが、地元の書店であっさり見つけたので拍子抜けしました^^
ネタバレ込みの感想
うー・・・・ん。10年のフォロワーとしての正直な感想としては70点位。
世界の成り立ちや、魔導王をはじめとしたキャラクターの行動原理をきちんと明かしたのでその辺りの不満はないのですけど、尻切れトンボですよ、まじで。
ロングインタビューではあえて書かない事で想像させるみたいな事を言ってましたけど、サタンを倒した後の内輪もめの末、マリアが自己犠牲で飛び降りた後を書かずに、
エンディングに持っていくのはずるい。
結局、グッダー、ジュジ、りりぃ、人竜、シックス、トマト、ルヴィーだけがこちらの世界の人間で、それ以外の登場人物は全てコンピュータープログラムだったってことでしょ。
異常気象、戦争、テロなどで地球が荒廃する
→10万人が不完全なままの永久避難所に非難する
→コンピュータプログラムの不備かバグ?で世界がめちゃくちゃになっていた
→おまけに逃げ込んだ10万人以外にも知的生物が勝手に生まれていた
→10万人の内グッダーをはじめとする6人以外は避難所世界で死亡
→生きのこった6人でこの狂った避難所世界を立て直そう
→色々あったけど世界管理プログラムの一つでマスターコンソールを占拠していた地獄大王を倒したぞ。
→コンソールを操作するための鍵がマリアだった。鍵は世界に一つだけ必ず存在し、失われると新たに世界のどこかで発生する。ついでにマリアが無性だという事も暴露。アジアンは人為的に作られた鍵候補。
→マリアを鍵として使うと消滅するかも?そんな事はさせないぞ、と内輪もめ
→マリアが自己犠牲で飛び降りる
→エンディング
構造的にはリアル世界が避難所世界(薔薇のマリアの舞台)を包摂している訳です。
結局、避難所世界の管理維持プログラム(神)が生み出したのが、世界の住人だったわけですが、意志あるものこそが本物であるという結論に落ち着いたわけです。
でも、トマトクン以外の、彼らがほんとはプログラムだという事を承知しているリアルの5人がどうなったのか書いていない。
プログラムの一つに過ぎないハズの魔術師が世界の果てを求めて探究を続けている、というエンディングはあったけど、あれは避難所世界(薔薇のマリアの舞台)の外の事なのか、中の事なのか?
避難所世界の外だとすれば、プログラムだけどリアル世界に飛び出す事が出来る事になるわけで、魔術師の世界の真実を求める探究心が限界を超越したことになるので凄いロマンです。
世界に干渉、うんぬんがラストのベティとトモエの絡みであったので避難所世界の住人が外に出る事に成功したと言えるかもしれません。
そもそも、結構くどい位マチルダのセリフで書かれていましたが、思った事=出来る事という事。
これは観測する事で結果が確定するという量子力学の話です。二重スリット実験などで良く知られていますね。
これを超能力で体感し、操れるようになったのが魔術師。
そして、アジアンがホントに最後にマリアを探し当てたらしいという事が最後の1文に記されていますが、マリアが身投げをしてからそこに至るまでの過程が全部書かれてないんですよ。
これは匂わすとか読者に想像させるという域を超えてますよ、くどいくらいの心理描写が得意な十文字さんにとっても書かない方がいいと判断したんでしょうかねぇ・・・・。
それとも想像力の限界だったのか。
はっきり言って他の十文字作品も買っていたモダンとしては超がっかり。
個人的に補完するなら、恐らく落下するマリアを誰かが助けて、結局マスターコンソールを使ったのだと思う。
結果マリアは死なずにどこかへ飛ばされ、最終的にグッダーたちは世界を改変せず、避難所世界からリアル世界へ帰り、避難所世界はそのまま残された。
量子力学を体感し、意思のチカラで世界に干渉できるようになった魔術師のうち、男がいるサフィニアとベティだけが避難所世界に残り、マチルダとモーグ・エヴァンジェリンはリアル世界の月まで飛翔、トモヨはどっちともつかず?
うー・・・モヤモヤする!
10年来の作品のラストがこれか・・・・・。
この長文を読んでくれた薔薇マリのファンのファンの方、気が向いたらコメント下さいm(__)m
2chのスレッドは見るだけで使わないので。
追記
いつのまにやら続編が出てました。

コメント
はじめまして。
私も完結巻を読了後からずっと、同じようなもやもやを抱え続けております。
あえて書かない、という書き方は理解出来るんですが、あけられた穴は読者が想像するには大き過ぎると思いました。
senshuu様
コメントありがとうございます。
まさにモダンもその様に感じていて、
薔薇マリを完結させることにパワーを使いすぎたのか
あるいは紙幅がなかったのか、のどちらかだと思います。
私も薔薇のマリア好きだったんですけど
主役が最後どうなったのかが書かれていないのが
すごく不満です。それは今も続いています。
果たしてマリアはどうなったのか。アジアンが
見つけた時にどういう状態だったのか?
マリアは人間じゃないし、あの高さから落ちたから
仮死状態になっていてもおかしくないし
他のキャラの事は書いていて肝心要のマリアについて
ちょっとだけしか触れていない。あれだけ引っ張って
おいて読者をがっかりさせるのは作者としてまったく
褒められたものではないと私は思います。
薔薇のマリア本編でも5巻と8巻は主人公は最初と最後に少しだけで後は脇役メインと、外伝でやれとツッコミ入れたくなりました。
上記の2冊で免疫ができたのか。今回の完結もそれほどショックはうけませんでしたね。
というかこの作者って脇役の心理描写に力入れすぎですよね。それでメインキャラをおざなりにしているから21巻もまともに終わらせるとは最初から期待していなかったので、予想通りの結末になって「あ、やっぱりね」といった感じで大したショックは受けませんでした。
マーナさん、マリオンさん
コメントありがとうございます。
やっぱり脇役に話振りすぎですよね。
アンデットを作る姫の話とか
全く物語に絡まなかったし、
削って本編を充実させればよかったのに~。
はじめまして
自分はマリアローズという主人公が好きで読み始めました。
なので最終巻までにさんざんひっぱった謎や恋心(最後まで断定せず!)についてもっと色々掘り下げて欲しかったなあと…
長年追いかけた甲斐があったとは正直思えず、掴もうとしたものが手からすり抜けてしまったような心地です。
二十一冊(以上)かけた結果がこれかと。
最終巻としては纏まってたと思うのですが、追いかけ続けたものとしての満足感が得られなかったのは残念でした。
色々なキャラのその後が見れて安心したとこはあります。
でも自分が好きなのはマリアでした。
主人公もマリアです。(作者さんとしては登場人物みんな主役なのかもですが)
マリアを!ギブミーモアマリアローズ!(そんな心の叫びをあげました)
…なので自分も70点だなと思いました。
最後のマリアは、アジアンの犬でも猫でも〜発言があるため、生まれ変わりの可能性考えてました。(それか落下先が転送装置になってて移動したか)
誰かが救助という可能性、コンソール起動は考えてなかったです〜なるほど
もやっとしたもの抱えてたので、同じ感想拝見して少しすっきりしました。有難うございます。
長文失礼しました。
はじめまして
私も薔薇マリ大好きで全巻持っています。
十文字さんが20巻目でまとめなくてはならない予定だ、みたいな事をおっしゃっていたので、この物足りない終わりかたはきっとページ数の問題だっのでは…と思います。
外伝で詳細が語られないかと期待しているところです(笑)
はじめまして
僕もこの小説が大好きなので語らせてください。
『世界の成り立ちや、魔導王をはじめとしたキャラクターの行動原理を
きちんと明かしたのでその辺りの不満はないのですけど、』
この点は完全に同意です!流石にしっかりしてますよねー。
『構造的にはリアル世界が避難所世界(薔薇のマリアの舞台)を
包摂している訳です。』
これは僕の考えとは違っています。
リアル世界(元あった世界)は壊れて住める状態じゃなくなってしまったので、ほぼ同じ世界(避難所世界)をプログラムに構築させてそこにみんなで移住してきた、って感じじゃないでしょうか。
この考え方ならば魔術師達は普通に月へ、レジストラ達はトマトと同じように紛い物達に混ざって普通の生活を送っている、と考えることができると思います。
『アジアンがホントに最後にマリアを探し当てたらしいという事が最後の1文に記されていますが、マリアが身投げをしてからそこに
至るまでの過程が全部書かれてないんですよ。』
個人的にはマリアはあの時死んだと思います。そして鍵が無くなったため世界を改変することはできずにあの場はお開き(笑)、地上に帰ってそれぞれの生活に戻ったのではないでしょうか。
アジアンの話ですが、アジアンがマリアに惹かれたのはマリアが鍵だからです。生まれ変わってゴッキーになってもきっと見つけ出して〜みたいなことは何度も繰り返し書かれていますし『彼は証明したいのだ。自分の言葉を。』とも書いてあるので、最後の場面でアジアンが見つけたのは新しく鍵となって産まれたマリアローズではないでしょうか。全く別の姿になったマリアを愛の力で見つけ出すアジアン、て感じですね。
そして各人のその後の描写が足りないという点に関して。
薔薇のマリアの最大のテーマは友情や愛、成長だと思うので、それに関わる人達に関しては一通り書いてあるので、レジストラ達のその後はあえて書かなかったとわかります。
グッダー達レジストラはいわゆるラスボスで、世界を改変するという野望をマリアの自殺によって打ち砕かれてはいおしまい、でいいんじゃないでしょうか。笑
もしかしたら諦めてなくて鍵を探しているかもしれないですね。
10年を付き添ってきた小説が終わって誰かと語り合いたいのですが、イマイチマイナーなので話し相手がおらず、ここに書き込ませていただきましたm(_ _)m
長文失礼しました。
返事もらえると嬉しいです!
しゃ 様
コメント有難うございます。
リアル世界(元あった世界)は壊れて住める状態じゃなくなってしまったので、ほぼ同じ世界(避難所世界)をプログラムに構築させてそこにみんなで移住してきた
→このくだりは基本的にモダンの見方と一緒だと思いますよ。
正直、永久避難所の描写が掴みづらく、特殊なサーバーみたいなイメージとして受け取っていました。
マリア身投げ後の解釈は新鮮ですね。新しいマリアか~。
色んな解釈が出来るのは作品の情報量の少なさゆえですね。でも、繰り返しになりますが、やっぱりカッチリ終わらせて欲しかったです。
最悪、同人出版でも買うのになぁ・・・通販で。
大切そうなところは目を薄めてこのサイトを読ませて頂きました。
実はまだ、18巻までしか読破しておらず_(._.)_
みなさん同じように“尻切れトンボ”と評価されており、少し残念です。ただ何年もこの作品についてきたので、買う以外の選択肢はないよな…!と思っております。
アジアンの祖国、マリアとアジアンの関係、マリアの正体についてシッカリ明かされるラストであることを望みつつ、本屋へ行ってきます…(笑)
上のコメントをした薔薇マリファンです。このサイトはもうお使いになられていないのかな…?
全巻読破して戻って参りました。
ラストについては、疑問が残ります。個人的な見方としては
⑴アジアンが「犬でもゴッキーでも〜」発言を「証明したい」=「別の鍵に生まれ変わったマリアを見つけ出してみせる」と言っていたことと、マリアローズと普段呼んでいた彼が「薔薇のマリア」と呼んだことから、真っ赤な薔薇の花に転生したマリアを見つけたのでは、と。名前と転生後の姿が結びつくようなトリックに十文字さんがされたのかな。
でもこれだと、ちょくちょく伏線が張られていた遺跡の説明がつかないんですよね。アジアンも遺跡を目印にマリアを探していたようだし…?
でも描写的にも、マリアが人としてそこにいたとは考えられないので、
⑵飛び降りる→落ちて死んでしまうが、そこが遺跡でワープ→ワープ先で薔薇が咲く(これで落ちた先を探されても、鍵が見つけられてしまうことは無い)
かなと。もし落ちた先に遺跡が無かったのであれば、アジアンが早い段階で見つけていた気がするからです。鍵として捕捉されてしまっていたかも。
何はともあれ、憶測に過ぎません。蛇足と言われようが、答えが知りたい…!十文字さん…!
コメントありがとうございます。モダンです。
ブログは一部壊れていますが、まだ、ボチボチ更新してますよ^^
やっぱりはっきりさせて欲しかったですよね~。
長く続いた作品が終わる時のこの唐突感、もうちょっと紙幅が欲しいところです。
そして薔薇マリではなく、
灰と幻想のグリムガルが十文字作品初のアニメ化決定されましたが未読です。
自分に今から読めるOSが入っているか怪しいですが
10年来の十文字読者としてはチャレンジしたいと思います。
はじめまして。
長年の薔薇マリの愛読者です。
忙しい日々を送るなかで少しずつ読み進めてきてようやく完結巻を読み切るに至ったのですが、色々と思うところがありネットでみんなの意見を見てみようと思い目を止めたのがこちらのサイトでした。
やはり、なんともうやむやな終わり方でもやもやしてしまったのは私だけではないようですね。
今まで散々、しつこいぐらいの心理描写がありましたが、それが十文字青さんの薔薇のマリアでの魅力でありおもしろさであり、惹きこまれる要素でもあっただけに、主人公身投げ後のあっさりとした終わり方に拍子抜けしてしまいました…。
十文字青さんのインタビューも読みましたが、書かないことで時間の経過をスピーディにしたことや穴を読者に想像させるという意図は、薔薇のマリアという作品にはあっていなかったのでは、と思えてなりません。
はじめからそういうスタイルならば問題はなかったのかもしれませんが、途中から、それも最終章へと突入する大事なときにいきなりスタイルを変更されると読者はついていけなくなっちゃうのでは…と。
色々と疑問も残ることもありますね。
マリアの身投げ後に関しては、上古の門の装置が偶然発動し秘境に飛ばされる例があることをもとにアジアンが探しだしていますから、その通りになったのではないかとは思うのですが、あえて「廊下の手前」にいたという描写が引っ掛かるところです。想像するには少し複雑ですね。
ルヴィー・ブルームはアジアンを鍵として作ったが故に鍵であるマリアに惹かれた可能性を示唆していましたが、最後はあくまで鍵としてではなくマリア自身を探しだしてほしいという気持ちがありますので、是非生きていてほしいのですが…。
りりぃがマリアに興味を持ち、好きになれるかもしれないと思った理由も結局よくわからないですし、そもそもマリアが瞳をつぶすだけではいけなかったのか(これは考えてはいけないのかも…)とか、色々気ににる部分がありますよね。
そもそも、活躍は少ないにしても大切に育て、あれだけ生き延びるということに関してはどのキャラにも増して強い描写を描いてきた主人公を最後に自ら命をなげうたせるには、場面と描写が足りなかったように思います。
長々と書いてしまい恐縮ですが、ほんとうに好きだった作品だけに穴だらけのラストが残念でなりません。
書きすぎで想像もへったくれもない方がまだマシな気がします。読者としては、ですが…。
溢れる思いを発散させていただき、ありがとうございました。
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